民主党議員秘書座談会「党内ではいい迷惑、惨敗ムード一色」
B 地元の人にも、昨日まで民主党所属だと言っていたのに、「今日は◯◯党ですが、明日は××党です」とは説明できないですよね。
●公認料だけもらって選挙活動しない?
ーー当選がきわめて難しいといわれる立候補者は、どういう選挙活動をしているのですか?
A 一応、形だけ選挙活動をするのではないですか? 例えば、公認料として政党から2000万円くらい支給されます。そして、そのカネを使ったことにしてビラもポスターも何もつくらなければ、カネはかかりませんから。そういう議員もいるという噂を聞いたことがあります。あくまで噂ですが……。
ーー解散が決まった後、多くの議員が党を離れましたが、彼らにも支払われるのでしょうか?
B いいえ。離党した人たちは、公認料として2000万円もらえると思っていたものが入ってこないわけで、かなり苦戦しているようですね。
A 加えて、民主党にいれば政党助成金から年4回、300万円ずつもらえますが、離党した議員は、直近に支払われた300万円を返還しなければなりません。
ーーお金以外では、党からどのような支援を受けられるのでしょうか?
B 民主党を応援してくださる団体の方々が、党公認の各立候補者のために応援団を組織してくれて、選挙事務所の立ち上げや地元の有力者の名簿整理、ポスター貼りなどを手伝ってくれます。各事務所、だいたい20人くらいずつですか。とても助かります。
A そういう支持団体は、組織票として確実に取り込めますからね。
B 地元の民主党所属の地方議員の力も大きいですね。お金は出してくれませんが、支援者を紹介してくれたり、宣伝カーに乗ってくれたりするわけです。離党すれば、そういう応援も受けられなくなります。
●解散と同時に公設秘書は失職
ーー解散になると、皆さん秘書のお立場はどうなるのですか?
A 公設秘書は解散と同時に失職ですよ。私設秘書は議員個人との契約関係ですから、まちまちです。公設秘書は年の瀬が迫った時期に路頭に迷う人も多いわけですから、迷惑な話です。
B しかも、11月分の給料は出ますが、12月分は再選されないと出ません。選挙活動を手伝っても、落選すればただ働きです。
A それに選挙戦が始まると、土日も休みなしです。3年前は民主党の公認候補であれば確実に当選できそうな雰囲気がありましたから、どれだけ苦しくても頑張りましたけれども、今回はどうなるかわかりません。野田さんには任期いっぱいやってほしかったですね。
ーー解散直後、秘書の方々はどのような活動をするのですか?
A 議員によりますが、引退を決めている議員や当選がきわめて難しい議員の秘書は、サヨナラですので、就職活動に邁進します。例えば、前回比例で当選した議員は民主党に風が吹いていたからこそ当選できたわけで、厳しい見方をすれば、今回は比例での復活はあり得ないと思います。その議員秘書だとしたら、ただ働きですよね。
B 3年前、自民党に逆風が吹いたとき、落選した議員の秘書が多数民主党に職を求めてきました。今回は民主党に逆風が吹いて、自民党が与党に復活しそうだからと、もうすでにあちらで就職活動をしている人もいますよ。節操がないと思われるかもしれませんが、割とその辺は合理的ですね。
A 逆に議員の方も、ずっと辞めさせたかった秘書をクビにできる、いい機会ではありますね。情報を握られていた秘書を、人間関係が悪くなったからという理由だけでクビにすると、絶対に後で週刊誌に暴露などされますからね。そういう例は今まで山のようにあるからクビにできない。解散は、納得させられる一番もっともな理由なのではないでしょうか。
●実際の選挙活動とは?
ーー選挙期間中、秘書の方は具体的にどういう活動をしているのですか?