駅のホームで、新幹線車内で…今では絶対にできない『ザ・ベストテン』珍場面を振り返る
あなたにとって「懐かしい」とは、どんな情景でしょうか? 1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。
今回のテーマは、TBS系の歌番組『ザ・ベストテン』で起こったハプニング。オール生放送ならではの、今では絶対に考えられない事件・珍事を紹介していきます。
長渕剛、歌を途中で止める(1980年)
長渕剛がヒット曲『順子』をひっさげてベストテンに出演した時のこと。中継先からアコースティックギター1本でメロディを奏で歌い始めると、どこからともなく手拍子が。すると長渕は、「ちょっと待って。これは失恋の歌なんで、ひとつ手拍子は勘弁いただきたい。そういうふうに思うわけですね」と演奏をストップ。
長渕のパフォーマンスを見に来ていた、歌手仲間の桑名正博やアン・ルイスはその言葉に笑いながらも手拍子をやめ、歌い終わると大きな拍手と声援を送っていました。
松田聖子、駅のホームで歌う(1981年)
秒刻みの殺人的スケジュールで活動していた80年代の人気アイドルたち。トップアイドルのひとりだった松田聖子も例外ではありません。
この日、聖子は新幹線での移動中に、列車がホームに停車しているわずかな時間をぬって歌うことに。ステージとなったのは、静岡駅の東海道新幹線プラットホーム。駅に到着した新幹線のドアが開くと、聖子はホームへ降り立ち、イヤモニを受け取って当時のヒット曲『チェリーブラッサム』を熱唱。そして、電車の発車時刻が迫ると、急いで列車へと飛び乗り去っていきました。聖子を一目見ようと多くのファンが集まり、ホームが一時騒然となったのは言うまでもありません。
田原俊彦、新幹線の車内で熱唱(1983年)
その聖子と噂になった田原俊彦も、新幹線の停車時間を利用して歌った猛者のひとり。
1983年のシングル『ピエロ』で2位にランクインしたトシちゃんは、岡山県倉敷市でコンサートがあったためスタジオに来ることができず。しかも翌朝には東京で仕事があったため、ライブ終了と同時に新幹線に飛び乗っており、歌唱に割く時間は皆無でした。
そこで、名古屋駅で2分余り新幹線が停車するのをいいことに、名古屋駅前のビルの屋上に望遠レンズ付きのテレビカメラと音声を拾う高性能アンテナを持ち込んで、クルーが待ち伏せ。停車中の新幹線車内で歌うトシちゃんを窓の外から撮影することに成功したのです。なお、新幹線が発車してもトシちゃんはしばらく歌っていました。
石橋貴明、「てめぇら最低だぞ!」と暴言(1985年)
いまやすっかり大御所になったとんねるずですが、20代の頃の血気盛んぶりは今の若手芸人の比ではありません。その旺盛な戦闘意欲はベストテンでも示されています。
それは、1985年10月の『ザ・ベストテンin静岡』でのこと。とんねるずは、2位にランクインした『雨の西麻布』を引っさげて登場する際、客席を通ってステージに上がりました。ところが、観客にもみくちゃにされて衣装がボロボロに。これに激怒した石橋が「ふざけんじゃねぇぞ! この野郎!」「てめぇら最低だぞ!」と暴言を連発。当然、視聴者からはクレームが殺到する事態に。しかし、石橋はこのように暴言を吐いた後でも、歌が始まるとしっかりと会場を盛り上げるパフォーマンスを披露していました。
この連載では、次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)
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