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自由主義派の階級論は、マルクスと違い、きわめて明瞭で現実に即した階級の区別といえる。日本共産党はマルクスを信奉する社会主義政党だから、中小の自営業者は従業員を搾取するブルジョワジーとして攻撃しなければならないはずなのに、実際の政策では「日本経済の根幹」と持ち上げ、支援策を打ち出したりしている。マルクスの誤った階級論がもたらしたひずみだ。
政治家は、保守か革新かを問わず、自由主義派の階級論を正しいと認めることは難しいだろう。官僚と並び、税金で生きる上級国民の代表格だからだ。政府の顔色をうかがうメディアや知識人も触れたくない事実に違いない。上級国民の話題を茶化し、突っ込んだ議論を避けるのもうなずける。
しかし税金を取られ、搾取される側の一般国民にとって、上級国民の存在に気づいたことは社会を変える第一歩になる。
自由主義派の一人、ティエリは「課税はつねに悪である」という言葉を残した。消費税率の引き上げを控え、社会保険料という名の税負担にも苦しむ一般国民にとって、希望の言葉に聞こえるはずだ。
(文=木村貴/経済ジャーナリスト)
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