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開始前から事故続出のマイナンバー、憲法違反の疑い 国民に甚大な危険・負担の恐れ

文=小石勝朗/ジャーナリスト
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 番号通知カードの配達が予定されていた11月末までに終わらないどころか、一部地域分の印刷漏れまで明らかになり、来年1月からの運用開始に暗雲が漂うマイナンバー(共通番号)制度。

 今度は「憲法違反だ」と主張する弁護士や市民のグループが中心になって、12月1日、全国5カ所で国を相手にマイナンバーの利用差し止めなどを求める民事訴訟を起こす事態になった。

 提訴したのは東京、大阪、仙台、新潟、金沢の5地裁で、原告は地方議員、医師、税理士、自営業者、フリーライター、会社員ら計156人。かつて住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)への接続拒否を続けた東京都国立市の関口博・元市長(現市議)も名前を連ねている。今後、横浜、名古屋、福岡の各地裁にも訴えを起こすほか、2次提訴も予定している。

 裁判で原告が国に対して求めているのは、(1)マイナンバーの収集、保存や利用の差し止め、(2)保存しているマイナンバーの削除、(3)1人あたり10万円の慰謝料支払い、の3点。勝訴しても判決の効力は原告に限られるが、訴訟の弁護団は「住民票があるすべての国民・外国人に適用するという大前提を覆すことで、制度の見直しや廃止につながる」とみている。

マイナンバー制度の危険

 違憲の根拠に掲げるのは、憲法13条が保障するプライバシー権だ。その中でも特に「自己情報コントロール権」、つまり個人情報の提供を求められた場合に、事前に利用目的を知らされたうえで同意するかどうかを決められる権利を侵害すると主張する。マイナンバー制度によって、本人の同意がないまま行政機関に番号の付いた個人情報を収集され、広範囲に利用される点を問題視している。

 東京訴訟の訴状には、マイナンバー制度の危険が重ねて綴られている。具体的には以下の点を挙げ、「大量の個人情報漏洩が発生し、機微なプライバシー情報が違法に収集されたり公開されたりする危険性の存在は明らかである」と強調した。

(1)民間企業のセキュリティ対策には1社あたり平均100万円以上が必要との試算もあるが、費用がかけられず準備不足のところも多い。
(2)半年前に発覚した日本年金機構からの125万件もの個人情報流出で、行政機関のセキュリティも不十分なことがわかった。

 そのうえで、漏洩や盗難で流出した個人情報が生涯不変のマイナンバーを媒介にして簡単・確実にデータマッチング(名寄せ・突合)されることによって、本人の知らないところで意図しない個人像が勝手につくられる(プロファイリング)ことになったり、なりすましに悪用されて経済的な被害を被ったりする危険を記している。

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