ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 家族と結婚、不幸との関連性大?
NEW

家族と結婚、不幸との関連性大との調査結果

取材・文=河鐘基
【この記事のキーワード】, , ,
家族と結婚、不幸との関連性大との調査結果の画像1「Thinkstock」より

 韓国メディアの国民日報が、興味深い調査を行った。Twitterやインターネットニュースなどに散らばる単語やそのつながりを収集・分析。1年間かけて日米中韓の幸福と不幸に関する認識および言葉の使われ方を調査したのだ。分析された単語数は約1億619万件に上る。

 まず、各国の言葉で幸せと関連するキーワードとしてよく使われていた言葉は、日本では「愛」「安心」「笑顔」「宗教」「自身」「感謝」など、米国は「LOVE(愛)」「Beautiful(美しい)」「Friends(友人)」「Thanks(感謝)」「Freedom(自由)」など、中国は「裕福」「惜しい」「成功」「快楽」「祝福」など、韓国は「オッパ(お兄さん)」「家族」「プレゼント」「商品券」「感謝」「愛」「イベント」などとなった。

 反対に、不幸と関連した言葉としては、日本は「自動車」「豊か」「ビジネス」「結婚」「サッカー」「帰り道」「学校」など、米国は「侮辱する」「敗北する」「仕事」「処罰される」「生まれる」「貧しい」など、中国は「株価暴落」「地震」「災害」「中国」「接待」など、韓国は「あなた」「人」「政府」「韓国」「セウォル号」などとなった。

 上に挙げたキーワード以外にも、多くの単語が調査された。国別の特徴としては、以下のようなものがある。

それぞれの国ごとの特色

 まず、日本と韓国では「日常」に不幸を感じる人が多いという点が明らかになった。学校、職場、疲れなどの言葉が、不幸なキーワードとして共通して使われていた。また、韓国では旅行やイベントなど「非日常」に喜びを見出す人が多かったようだ。

 一方、中国では仕事に関する言葉が幸せと関連して使われることが多かった。国民日報は、「経済的に低成長状態にある日韓と、相対的に高い成長率を誇る中国で暮らす人々の意識の差ではないか」と分析している。

 さらに米国と日本では、「家族」が不幸と関連するキーワードとして多く抽出された。米国の「父母」、日本の「パパ」がその一例だ。また日本では「妻」や「彼女」はポジティブな言葉として使用されることが多いが、半面「結婚」は不幸な言葉として使われる機会が多かった。

 対照的に、韓国では「家族」に関するキーワードが幸せを象徴する言葉として多用されていたが、「あなた」など家族以外の「他人」に関する言葉は不幸なキーワードとして使われることが多かった。

 なお、日本では「政府」「国」という言葉が良い文脈で使われるケースが多いが、韓国と中国ではネガティブな文脈で使われることが多いという結果も明らかになった。

 おそらく、このキーワード分析も完璧ではないだろうが、各国の人が何に幸せを感じ、また何を不幸と思うか、その傾向と背景については理解の一助となりそうである。

 全体的な傾向としては、不幸に関する言葉より、幸せに関する言葉のほうがはるかに多かったという。割合にすると、米国は幸福な言葉が不幸な言葉の25倍近いという結果になった。韓国は約14倍、中国は約5倍、そして日本は約2倍だ。欧米的な文化と片付けてしまうには難があるが、米国に比較してアジア3国はポジティブな言葉が少ないといえる。

 今回の統計を分析した崇実大学校のペ・ヨン教授は「不幸は特殊の事故や事件が起きる時に表現されるため、幸福な言葉より数が少ない。(中略)日本の場合、震災や長期不況など地域特性があり、例外的に不幸に言及することが増えているのではないか」と推測している。
(取材・文=河鐘基)

河鐘基

河鐘基

1983年北海道生まれ。株式会社ロボティア代表取締役。テクノロジー専門ウェブメディア「ロボティア」を運営。著書に 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」(扶桑社新書)、「ドローンの衝撃」(扶桑社新書)、「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」(光文社)。訳書に「ロッテ 際限なき成長の秘密」(実業之日本社)、「韓国人の癇癪 日本人の微笑み」(小学館)など。

家族と結婚、不幸との関連性大との調査結果のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!