新型肺炎、ついに永田町の国会議員秘書が感染との情報も…安倍政権が情報隠蔽か
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
3連休明けの2月25日、ついに国会にも新型コロナウイルスの感染者が出てしまったようです。具体的には明らかにされていませんが、「衆議院議員の秘書」といわれており、誰なのか臆測が飛び交っています。
すでに、議員会館勤務の秘書たちがきちんと出勤しているかを確認している人が増えているそうです。秘書たちは「もしかすると、感染を隠すために無理して出勤させて、感染者を特定されないようにしているかもね」と話していますが、それではますます感染が拡大してしまいます。また、そのためか、議員会館の各階エレベータホールに、やっと消毒液のボトルが置かれるようになりました。
厚生労働副大臣や政務官、その秘書や職員たちがクルーズ船の対応にあたっていたのですから、このような事態は想定できました。「危機管理がなっていないな……」と残念な気持ちになります。
しかも、自治体には「陽性反応が出た人たちの情報は隠さずに公開すべき」という指針を出しておきながら、感染したとされる秘書の情報については、26日午前中の時点でも明らかにされていません。感染者との接触が疑われる職員や秘書は自宅待機をすべきなのに、なぜ隠しているのでしょうか。一部では、「加藤勝信厚労相の秘書だからじゃないの?」という臆測も広がっています。ちなみに、加藤大臣の事務所がある衆議院第二議員会館11階には菅義偉官房長官の事務所もあります。
いずれにしても、政府が正しい情報を公開しないとデマも増えてしまい、みんなが安心して生活できない事態を招いてしまうと思います。
不倫疑惑の大坪審議官はスイーツ三昧?
新型コロナウイルス感染の対応について、日本政府には国際的な批判が高まっています。米CNNなどは、「日本の厚労省のコロナウイルス対策が失敗したので、しばらくは日本を訪れないほうがいい」と報道していました。今はどの観光地もガラガラのようで、経済的にも大打撃です。
2月17日には、大型クルーズ船内で連絡調整などの業務にあたっていた厚労省の50代の男性職員の感染が報道されましたね。「税金不倫疑惑」で何かとお騒がせの厚労省の大坪寛子官房審議官もクルーズ船の担当ですが、彼女は近くのホテルに滞在して贅沢なスイーツをほおばっていたそうです。危機感がなさすぎですし、「コネクティングルーム不倫疑惑」についてもまったく反省していないところに、国会女子たちはみんなあきれています。
しかも、船内にいた職員たちには検査も自宅待機もさせずに職場に戻していたそうで、とても驚きました。医療関係者にも感染が拡大し、下船後に陽性反応が出た人も増えているのですから、国民のみなさんは不安しかないと思います。
新型コロナウイルスについては、まだ治療法が確立されていないので、手洗い、うがい、マスク着用などの基本的な方法しか感染を防ぐ手段がないのも問題です。あとは、十分な睡眠や栄養をとって「免疫力」を下げないことも重要だといわれていますが、現代人にはハードルが高いですよね。
一方で、検査を受けられる機関が少ないことも問題になっています。2月24日の政府の専門家会議で「これからの1~2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」とされましたが、医療の現場は機能していないのが現状です。
特に批判されているのが、保健所の対応のまずさ。政府は「感染が疑われたら、病院ではなく保健所へ相談を」と呼びかけているのに、保健所は土日祝日がお休みです。しかも、国民からの相談には「(発生源とされている)武漢に出入りしたか、すでに感染がわかっている人と濃厚接触した人以外は、検査は受け付けない」と言っているそうです。電話をする人は不安なのですから、もう少し親切な対応をお願いしたいです。せめて、症状を細かく聞いた上で、病院へ行くように指示するか、検査を受け付けるかぐらいはしてほしいですね。
このような状況でも続いている衆議院予算委員会では、野党が「対応のお粗末さ」を追及していますが、解決策までは提示できていません。みなさんも、なんとなく体調が悪いと感じたら、休みを取って完治するまで無理をしないことが大切です。なかなかそうもいかないお仕事もあるかもしれませんが、今は日本全体が体力を温存したほうがいい時期なので、思い切って休むこと、周囲の人にもそうすすめること、それが自分にとっても周りの人にとっても最善の選択です。
観光地のみなさんも、観光客が減ってしまったこの時期を充電期間だと思って、日頃は忙しくてできなかったメンテナンスやクリーニングをして心身共にリフレッシュし、また忙しくなる時期に備えられたらいいですね。
新型コロナウイルスに感染してお亡くなりになってしまった方々へ、心より哀悼の意を表します。そして、これ以上感染が拡大しないよう、秘書たちも対策のお手伝いをこれまで以上にがんばりたいと思います。
(文=神澤志万/国会議員秘書)
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。