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幼稚園で教師による壮絶な虐待!容赦なく蹴り&平手打ち、泣いても無視

文=中山介石
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幼稚園で教師による壮絶な虐待!容赦なく蹴り&平手打ち、泣いても無視の画像1「Thinkstock」より

 児童虐待が急増している中国で、ショッキングな映像が流出し話題となっている。

 流出したのは、内モンゴル自治区フフホト市の金橋啓辰芸術幼稚園の教室に備え付けられた監視カメラがとらえた2本の映像だ。動画には、女教諭による虐待の様子がとらえられている。

 1本目は、日付は不明だが2人の女教諭が泣いている幼児を無視して粛々と作業を続けている映像だ。幼児の面倒を見ていない事実はあるが、虐待というほどではない。

 衝撃的なのは2本目だ。撮影日は4月28日。教室内には10人ほどの幼児がいるが、ひとりだけ言うことを聞かなかったのか、女教諭が男児に対し蹴りを加えた。さらに男児が起き上がるやいなや容赦なく左右から平手打ちを食らわせ、その子のイスを取り上げてしまった。

 5月14日付「澎湃新聞」などによると、動画が流出したのは5月13日だが、それに至るまでに一悶着あったようだ。

 同6日、ひとりの保護者が息子の顔が腫れ上がっていることに気づいた。その保護者はすぐに幼稚園に駆けつけ、監視カメラの映像を見せるよう要求したが幼稚園側は拒否。そこで警察を呼び、ようやく映像の開示にこぎつけた。その際に過去の映像も公開され、流出につながったようだ。同10日、保護者が医師の診断書を警察に提出、事案は受理された。同12日に2名の教諭が事情聴取を受け、刑事事件の容疑者として拘束されたのだった。

 捜査によると、この幼稚園は無認可であることが発覚した。2015年11月に認可申請したものの通らなかったのだ。フフホト市では無認可の幼稚園が多く、同市賽罕区では許可を得ている幼稚園53に対し、無認可幼稚園は150に上るという。しかし、これはフフホト市に限った話ではない。

 5月22日付「半島都市報」記事で、湖南師範大学教育科学学院の陳牛則副教授は、「私立幼稚園のほうが虐待は多い」と指摘している。公立幼稚園は、当局が人事や管理に関与しているが、私立幼稚園は無法地帯なのだ。総じて資金繰りはあまりよくなく、教諭の給与水準も低いという。今回、虐待に手を染めた2人は、18歳と20歳の若者。専門的な教育を受けていなくても教諭になれてしまうのだ。

 一方、国家教育行政学院の許建国教授は「親が忙しくて、家庭内でちゃんと子どもを教育していないことにも問題がある」と指摘する。しかし、教育問題に詳しい上海在住の日本人塾講師は、「虐待の理由は別にあるのではないか」と主張する。

「中国の学校や幼稚園では、『紅包』という“心付け”を先生に渡さないと、子どもを十分に見てもらえないという悪しき習慣があります。この虐待された男児の親は、先生に紅包を渡していなかったのではないでしょうか」

 給与の低さゆえの副収入頼みというわけか。今後も、虐待事件は減りそうもない。
(文=中山介石)

中山介石

中山介石

1970年、神奈川県横浜市生まれ。日本の食材をハンドキャリーで中国に運ぶ傍ら、副業として翻訳・ライター業に従事している。

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