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マスコミ各社は都教委の記者発表を受けて、「担任がクラス女子に不適切メール845通、保護者に不信感を与えた」「保護者からの訴えで発覚、女子生徒は卒業直前の約2カ月間、登校できない状況になった」などと、一方的な内容を報じ続けている。裏付け取材をすることなく、都教委の発表を鵜呑みにして、大半は都教委の主張をそのままを垂れ流すだけだ。懲戒免職処分の際も、一審判決や控訴審判決や再処分の際も、その姿勢は変わらない。
「真摯な先生」なぜ処分?
男性教諭は、「一方的な報道で精神的ダメージを受けたが、私よりも女子生徒が傷ついている。ぜひ事実を踏まえて正しく伝えてほしい。一審判決後に現場復帰してからも事務方の仕事しかさせてもらえていない。教え子たちは私の授業が受けたいと言ってくれている。早く教室に戻って生徒に教えたい」と訴える。
教諭側代理人の加藤文也弁護士は、「生徒に真摯に向き合うこういう先生が処分されたら、いい教育はできなくなるし、何よりも困るのは生徒たちだ。都教委は高裁判決を読んでいるのか。そもそも処分理由はどこにもない。教員にとって授業ができないことがどれだけ苦痛か、都教委はよく考えてほしい」と話している。
男性教諭は9月16日付で、都教委の「再処分」は違法不当だとして、停職処分の取り消しと損害賠償を求めて提訴した。
(文=池添徳明/ジャーナリスト)
【プロフィール】
池添徳明(いけぞえ・のりあき)埼玉新聞記者・神奈川新聞記者を経てフリージャーナリスト。関東学院大学非常勤講師。教育・人権・司法・メディアなどの分野に関心を持って取材。著書に「日の丸がある風景」(日本評論社)、「教育の自由はどこへ」(現代人文社)、「裁判官の品格」(現代人文社)など。
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