ビジネスジャーナル > 社会ニュース > アベノミクスで生活品値上がり?  > 2ページ目

株価回復はアベノミクスと無関係? 輸出増えず、生活品値上がりの懸念も

2013.03.17 2013.04.30 13:37 社会

 貿易赤字ということは、輸出より輸入が多いということである。輸出品の価格が下がるより、輸入品の価格が上がるほうが大きい。輸入品は消費者に直結する製品が多い。生活者を直撃することになる。円安で輸出が拡大すれば、下請け企業も含め国内生産は伸びるといわれているが、果たしてそうなるだろうか?

 前述したように、世界の貿易は輸出入から現地生産にシフトしたため、円安になればどんどん輸出が増えるわけではない。海外市場での競争条件は良くなり、収益は膨らむが、量がどんどん増える、とはならない構造なのだ。その一方、国内の生活物資の値段は上がる。

 一部の企業には恩恵があるだろうが、生活者には厳しい経済環境になる。円安は、浮かれる話ではない。
(文=山田厚史/ジャーナリスト 元朝日新聞編集委員)

●山田厚史(やまだ・あつし)
1971年朝日新聞社入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界などを担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。特別編集委員(経済担当)として、大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送テレビ番組で、コメンテーターなども務める。

BusinessJournal編集部

Business Journal

ポジティブ視点の考察で企業活動を応援 企業とともに歩む「共創型メディア」

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

ニュースサイト「Business Journal」