米国、北朝鮮の金正恩「斬首計画」準備完了か…ピンポイント攻撃も、トランプの決断に注目
「北朝鮮最高指導者の金正恩は気が狂ったのか、賢いのか、それとも戦略的なのか」
これはトランプ米大統領が2月末、中国政府の外交トップ、楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けっち)国務委員と会談した際に発した言葉だ。
北朝鮮は先月12日、日米首脳会談に合わせるように新型の中距離弾道ミサイルを発射。翌13日にはマレーシアのクアラルンプール国際空港で、金委員長の異母兄、金正男氏が殺害されており、このいずれにも、北朝鮮の最高指導者である金正恩の強い意向が働いているのは確実だ。
さらに、北朝鮮は今月6日にも弾道ミサイルを4発同時に発射。北朝鮮の国営メディア、朝鮮中央通信は7日、「在日米軍基地を攻撃する」ための発射訓練であると伝えており、1日から始まった米韓合同軍事演習に対抗する狙いがあることを明らかにした。
このようなたて続けの挑発的な行為に、トランプ大統領が金委員長は「狂った」と思ったとしても不思議ではない。今後の注目点は、トランプ大統領が金正恩にどう対応するかだが、オバマ政権とは違い、トランプ政権では金正恩を狙った米軍の「斬首計画」が現実化しつつあるようだ。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(電子版)は1日、トランプ政権が対北朝鮮政策の見直しを始め、オバマ政権当時の融和策から転換して、武力行使や政権転覆などの選択肢を検討していると報じた。トランプ大統領も議会での施政方針演説で軍事力の増強を表明し、2日には「米軍の力を遠方で示す」と述べ、北朝鮮攻撃をほのめかしている。
これを裏付けるように、マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は6日、韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長と電話で協議して協力強化を確認。韓国外務省は、日米などと独自制裁を通じ、「北に耐え難い代価を支払わせるようにする」との声明を発表した。
異例の日中韓訪問で連携強化
さらに、トランプ政権の重鎮でもあるティラーソン国務長官が15日から19日の日程で、日本、中国、韓国をそれぞれ訪問することが決まった。すでに、トランプ大統領の信頼の厚いマティス米国防長官がトランプ政権発足直後に日韓両国を訪問しており、2か月連続で国防、国務両長官が同じ国を訪問するのは極めて異例だ。