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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

米国、北朝鮮の金正恩「斬首計画」準備完了か…ピンポイント攻撃も、トランプの決断に注目

文=相馬勝/ジャーナリスト

 これは北朝鮮が6日の弾道ミサイル発射で在日米軍基地を攻撃する意図を明確にしたことから、ティラーソン長官自らが「早期のアジア訪問が必要と考えているため」と伝えられている。

 国務省のトナー報道官代行は7日、ティラーソン氏がアジア歴訪で「北朝鮮からの核・ミサイルの脅威が進展するなかで、戦略の調整に取り組む」と述べており、日米韓に中国を含めた4カ国で、北朝鮮に対する、あらゆる選択肢を検討するなかで、北朝鮮に対する「新たな選択肢」を模索することになるとみられる。

 中国は米軍の最新鋭迎撃システム「高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)」の韓国配備に強く反対しているが、ティラーソン長官は中国訪問で「悪い行動を続ける北朝鮮に対する防衛システム」であることを強調し、「対中国向けのシステムではない」と説得する考えだ。また、たとえ中国が米軍の対北強硬策に反対した場合でも、中国に「黙認」するよう求めることも考えられる。

「選択肢」の絞り込みに

 報道によれば、ホワイトハウスはすでに「選択肢」の絞り込みに着手。2月28日の会議では、北朝鮮のミサイル発射を妨害するためのサイバー・電子攻撃や発射直前の先制攻撃、在韓米軍への戦術核兵器の再配備などが検討されたという。

 米韓合同軍事演習には米軍の最新鋭ステルス戦闘機「F35B」や強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」(4万1000トン級)など揚陸艦3隻の参加も決まっており、金正恩を目標にしたピンポイント攻撃や特殊部隊の投入といった「斬首計画」の実行が可能な条件は整いつつある。

 あとは、トランプ大統領が最終決定を下せるかどうかだが、これは大統領就任後、最初の試練であり、「歴史に残る大統領」になれるかどうかの分かれ目にもなりそうだ。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

相馬勝/ジャーナリスト

相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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