食べログで予約した人数で来店せず、店側が払う送金手数料分払うから10人で予約した事にしてくれとgotoeatのポイント不正利用を提案してきた方が来ました。うちは不正に加担したくなかったのでお断りしたところ、口コミ悪く書くからと脅迫まがいのことを言われ、500円のタコブツのお代だけ支払い→
— 名酒センター【公式】日本酒44蔵150種類以上飲み比べ&販売処” (@meishu_center) October 14, 2020
10月1日から始まったGo To イートキャンペーン。購入金額に25%が上乗せされるプレミアム付き食事券の販売と、オンライン予約によるポイントの付与の2本柱を掲げるこの制度は、主に後者においてさまざまな問題を起こしてきた。居酒屋チェーン・鳥貴族にオンライン予約をしたうえで、298円のメニュー単品だけを頼み、1000円分のポイントをもらうことで、差し引いた分が特になる“トリキの錬金術”がその代表的なものだ。
その後政府は、この制度を一部変更し、昼食は500円、夕食は1000円の最低利用料を設定。この“錬金術”は崩壊することとなったが、現在また新たな問題が起き、注目を集めているという。
予約客が、店側に予約人数の“水増し”を要求
15日、東京・御茶ノ水と浜松町に店舗を構える日本酒の日本酒のアンテナショップで、角打ちスタイルの居酒屋でもある「名酒センター」のTwitter公式アカウントが投げた一連の投稿が注目を集めた。
投稿によれば、グルメサイトの食べログを経由して名酒センター御茶ノ水店を予約した客が、店側に予約人数の水増しを提案。店側がそれを断ってトラブルに発展したのだという。
「本人談によると、昨日も一昨日も警察来たと言っていた。他のお店にもやってるのかも?」
「飲食店の方々、注意してください」
などと注意を呼び掛けた一連の投稿は、16日現在で2万5000件のリツイート、3万6000件の「いいね」を集めるなど話題に。ネット上では、「そこまでしてポイントを稼ぎたいのか」「これは“トリキの錬金術”と違って純粋に詐欺だし、客ではなく犯罪者でしょ」などといった声が上がっている。
果たして実際にはどのような状況だったのか。当事者である名酒センター御茶ノ水店のオーナーに話を聞いた。
退店を願うと、「私を侮辱しているのか」「なぜ出ていかなければならないんだ」
「最初にこの方がいらっしゃったのは14日の昼で、初老の男性でした。もともと食べログ上は2名予約でしたが、実際に来たのはお1人。ところが、10人で予約したことにしてほしいと提案されたんですね。食べログを介して予約された場合、ランチだと1人当たり100円の紹介料を店側が負担するのですが、10人分のポイントが付与される最低額の5000円分の飲食を自分がするから、紹介料は十分払えるでしょうとおっしゃる。ランチの時間帯は1予約当たり500円のポイントが利用者に付与されますので、10人換算だと計5000ポイントが付与されることになります。
つまりその方は、実質無料で飲食をしようということだったんでしょう。丁重にお断りすると、タコブツを頼み、食べもせずに帰られました。その方は、1人分の最低額である500円のみをお支払いになったわけです。去り際には、『ネットに悪い口コミ書くから』と、脅迫めいたこともおっしゃいましたね。
当然もう来店はないだろうと思っていたのですが、なんと同じ日に食べログを通してまた同じ方の予約が入りまして……。ディナーの時間帯に同じように2名の予約、来店したのはその方ひとりだけという形で、やはり同様の提案をされたんですよ。『もうこれはお客さんじゃないぞ』と思って退店をお願いしたんです」
すると男は、「私を侮辱しているのか」「なぜ出ていかなければならないんだ」などと怒り始め、やむなくオーナー氏は警察を呼ぶことにしたのだとう。
「10分程度で警察が到着して、取り囲んで説得に当たってくれたんですが、それでも男は出ていかず、えんえん押し問答が続いたんです。男も暴力行為に及ぶわけではないので、警察側も強制的に連れ出すわけにもいかないようで。結局1時間ほどしてやっと出ていってくれたのですが……いやはや本当に変わった方で、こちらもほとほと困ってしまいましたね」(名酒センターオーナー)
“穴”があるのはしょうがない。利用する方のモラルの問題ではないか
危うく不正の片棒を担がされそうになったというわけだが、飲食店としては、Go To イートキャンペーンについてはどのように考えているのだろうか。
「こうした制度を政府が始めてくれたこと自体はいいことだと思っています。もちろん、このGo To イートが完璧な制度だとは思っていません。でも、“穴”が見つかったから埋めて、でも、また“穴”が見つかったから埋めて……を繰り返して、よりよい制度を目指せばいいだけ。だから、こういうことが起こることに関しては、制度が悪いというよりも、やはり利用される方のモラルの問題ではないかと思いますね」
新型コロナウイルスの流行により、名酒センターの経営も劇的に悪化。展開する2店舗のうち、浜松町店は11月29日で閉店することを決心したばかりだという。
「飲食店というのは、そもそも平常時でも損益的にギリギリのところでやっているお店が多い。だから、ちょっとした売り上げ低下が大打撃になってしまいがちなんです。それでも今は、4月5月の頃に比べればお客さんの入りもだいぶ盛り返してきている。このまま、以前のような状態に戻っていければよいのですけどね」(名酒センターオーナー)
これ以上、このGo To イートキャンペーンに関連したネガティブなニュースが聞こえてこないことを願うばかりである。
(文=編集部)