上智大学は10日、大学を標的とした爆破予告があったと発表した。大学側は万が一の場合に備え、明日11日は午後からキャンパスを閉鎖する措置を取るのだが、在学生からは対応のあり方に疑問の声が上がっている。
予告は午後3時なので午前中は授業
上智大学は同日、公式サイト上に「11月11日(水) 本学に対する爆破予告に伴うキャンパスの閉鎖について」との通知文を公表した。通知には以下のような記載があった。
「本学に対し、11月11日(水)午後3時に、大学内で時限爆弾を作動させるとの予告がありました。
このため、本学の学生、教職員その他関係者の安全確保を最優先に考え、下記のとおり、キャンパスを閉鎖します。関係の皆様にはご理解とご協力をいただきますよう、お願いいたします。
日時: 2020年11月11日(水) 午後1時から終日
対象箇所: 四谷キャンパスおよび目白聖母キャンパス
具体的措置:
当日は、1時限および2時限の対面授業は通常どおり実施しますが、3時限以降に学内で行われる予定の対面授業を中止します。当日のキャンパス滞在者は、午後1時までに全員キャンパスから退出してください。
※オンライン授業は予定どおり行います」
つまり、「爆破予告時刻は明日の午後3時だから、午前中はいつも通り授業を行う」という主旨なのようだ。最近、自治体の施設や各種学校へのいたずらと見られる「爆破予告」事件は多い。今回もいたずらの可能性は否定できないものの、本当のテロ予告だった場合、犯罪者が「時間通りに爆破する」とは限らないのではないか。大学側の発表に対し、在校生らはTwitter上で以下のような疑問を投げかけている。
「上智大に爆破予告がきたのでキャンパスを閉鎖するらしいが、3時に爆破の予定なので午前中は授業やって1時から閉鎖って、そういうもんなのか…?」(原文ママ、以下同)
「なんか、消防訓練じゃないんだから…とも思うけど…」
「まぁ学校側としては訴えるために、支障が出たという実績が欲しいだけでしょうね。。。実行するやつはいないでしょうし。。。」
上智大学にはカトリック・イエズス会センターが所在
外務省関係者は次のように話す。
「警察としては万が一のことがあってはならないので、危険物や不審物の捜索を行うと思います。不当な恫喝に屈せず、学問を続ける姿勢は立派だとは思います。限りなくいたずらの可能性は高いですが、気になるのは上智大学には日本におけるカトリック・イエズス会の主要拠点、カトリック・イエズス会センターがあることです。象徴的な意味で、テロのターゲットになり得る学校だともいえます。
フランスで、キリスト教関連の施設が無差別テロのターゲットになっていることもあり、外交関係者や宗教関係者の間に緊張感が高まっています。近年のテロは、警備が厳重な政府施設や軍事基地、発電所などの『ハードターゲット』ではなく、学校や商業施設など無防備な『ソフトターゲット』を狙う傾向にあります。しかもそうしたテロは、何らかの要求をするための手段ではなく、単に人々を殺傷し、社会に衝撃を与えることを最大の目標にしています。注意にするのに越したことはないと思います」
恐怖に煽られてパニックになるのは適切ではないが、何が起こるかわからない世界情勢の中、備えるのに越したことはなさそうだ。
(文=編集部)