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安倍前首相の存在、菅政権を脅かす“最大のリスク”…安倍氏の逆ギレ答弁で桜問題が長期化

文=編集部
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安倍晋三氏のInstagramより

 すべては菅政権の描いたシナリオ通りに進んだが、菅義偉首相も自らが支えた前首相の言動にだけは鈴がつけられなかった。

 安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に開かれた夕食会の費用を補填していた問題で、安倍氏が12月25日、衆参両院の議員運営委員会に出席。首相在任中の答弁を訂正し、謝罪した。

 だが、冒頭発言こそ「道義的責任を痛感」「深く、心よりお詫びする」としたものの、野党の質問に対しては、自身の言い分をまくし立て、反論する場面も。野党議員からは、「真実を説明しようという姿勢は微塵も感じられなかった」(立憲民主党・辻元清美衆院議員)、「言い逃ればかりでなんの反省もない」(共産党・田村智子参院議員)、「なんのための弁明だったのか理解に苦しむ」(国民民主党・玉木雄一郎代表)と呆れられる始末だった。

 立憲の福山哲郎幹事長は「疑惑が深まった。これで矛を収めたら国民に怒られる」と発言。年明けの通常国会でもこの問題は尾を引く可能性が強まった。安倍氏の国会での説明が25日に設定されたのは、「桜を見る会」問題を年内にすべて幕引きして、菅政権へのダメージを少なくする狙いがあったからだ。政権発足3カ月の12月、菅政権を取り巻く環境はがらりと変わった。当初の6割を超える高い内閣支持率は、ここにきて10ポイント以上も落ち、3割台の数字となる世論調査も出てきた。

「Go Toトラベル」に固執したことが世論の反発を招き、14日に年末年始期間の全国一斉停止を決めたものの、時すでに遅し。支持率回復にはつながっていない。そのうえ、「Go To停止」を決めた当日の夜に自民党の二階俊博幹事長らと大人数でステーキ店で会食したことが世論の批判をますます強めた。

「こうした状況を打破する1つの策として、年内の安倍氏の国会招致があった。東京地検特捜部の捜査は、年をまたぐという見方もあったものの、政権側の年内終結の意向が働いた。菅首相は国対委員長の森山裕氏と緊密に連携。世間が年末年始休暇に入る前の25日を安倍氏の国会説明の日と想定。そのためには、その前日までに捜査が終結し、安倍氏本人や秘書らの刑事処分が出ていなければならない。特捜部による安倍氏の任意聴取や秘書の略式起訴と安倍氏の不起訴の判断も、そうした日程から逆算して決まったのではないか」(自民党関係者)

菅・二階vs.安倍・麻生

 ところが、幕引きシナリオは土壇場で狂った。安倍氏が平身低頭に国会での虚偽答弁を訂正し、野党の質問にも真摯な姿勢で対応すれば違ったかもしれないが、夕食会の領収書や明細書についての質問などに真正面から答えない。結局、野党から領収書と明細書の提出を求められ、証人喚問も再度、要求された。

「もはやあれは性格だな。安倍氏は生まれながらに嘘が平気なんだ。子供の頃、夏休みの最終日に宿題が終わっていないのに、『やったよ』と答える。養育係だった女性がノートを見ると真っ白。代わりにその女性が左手で宿題を仕上げて、ことなきを得るの繰り返しでも、悪びれもしなかった、というエピソードがある。還暦を過ぎ、首相の地位まで上り詰めた今でも、変わらないんだろう」(自民党関係者)

 Go To停止の後手後手ぶりやステーキ会食など、新型コロナ対策をめぐる失政で菅政権の土台が揺らいできたことで、来年必ず行われる衆院選や総裁選を睨んだ自民党内の権力闘争が激しくなる兆しが出てきた。菅―二階ラインの失態に、安倍―麻生ラインはほくそ笑んでいる。贈収賄疑惑の渦中で議員辞職した吉川貴盛元農水相も二階派所属のうえ、菅首相と同期当選で近しい関係だった。

桜を見る会」問題が幕引きならずなら、安倍氏は年明け以降も菅政権の足を引っ張り続けることになりそうだ。

(文=編集部)

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