ガソリン価格がなかなか下がらない。むしろ、ジワジワ上がっている気がする。全国のガソリン価格比較サイト「gogo.gs」の最新データによれば、全国平均で1リッター138.4円。少し前まで1リッター120円台だったから、10円以上も上がったことになる。
「ガソリン価格は、去年の今頃は1リッター100円近くまで下がっていましたが、1年間かけて徐々に上がってきて、10月の後半から一気に10円くらい上がりました。原因は原油価格の上昇です。一時期、原油価格は1バレル50ドルを切っていましたが、現在は1バレル57ドル台で推移しています。30日にOPEC(石油輸出国機構)の総会がありますが、減産延長は織り込み済みなので、そう一気に上がることはないと思います」
こう語るのは、「gogo.gs」を運営するゴーゴーラボ取締役の宗像祐典氏である。
ちなみに、日本で一番ガソリンが高かったのは2008年7月の1リッター180円。そのときの原油価格は1バレル140ドル近かった。直近では、14年の1リッター165円が記憶に新しいが、「上がっても、そこまで上がることはないと思います」(同)というから一安心だ。
OPEC加盟国は、サウジアラビア、イラク、イラン、カタールなど中東湾岸諸国を中心に13カ国。毎年数回、総会を開き、石油に関する重要事項を決定する。今年最後の総会は11月30日、オーストリアの首都・ウィーンの本部で開催される。
今回の議題は「協調減産の延長について」。OPECは昨年11月30日の総会で、8年ぶりに協調減産を決議。今年2月から、加盟国全体で日量約120万バレル、ロシアなど非加盟国10カ国で日量約60万バレルの減産を実施した。世界中で石油がダブついていたからだ。
減産は18年3月末まで実施されるのだが、今回の総会でさらに減産期間を最短3カ月、最長9カ月延長するかどうかを決議する。中東諸国は、原油価格がまだ安すぎると思っているのだ。総会で延長が決まるのか。また、期間はどうなるのだろうか。
「周囲の情報を総合すると、80%くらいは延長で決まっているようです。ただし、ハプニング的に何が起きるかわかりません。減産の基調は変わらないとは思いますけどね。延長されても、それはすでに織り込み済みなので、そんなに大きく上がることはありません。
アメリカのシェールガスも下がっているので、OPECとしても、年末までに1バレル60ドルがメドだとみています。原油価格が上がれば石油製品の価格も上がると思いますが、前回のように跳ね上がることはないと思います」(業界紙編集長)
延長はほぼ確実。期間はサウジアラビアの主導で9カ月。つまり、18年末までの延長だ。ただし、OPECに加盟していないロシアは延長に必ずしも賛成していない。ロシアは18年3月までの減産でも十分と考えているらしい。
サウジの政情不安も影響か
また、OPEC加盟国同士も決して仲がいいとはいえない。中東調査会の村上拓哉研究員がこう解説する。