18日午前7時58分頃、大阪府北部で震度6弱の地震が発生し、4人が死亡、多くの方が重軽傷を負った。16日にも千葉南部で最大震度4、17日にも群馬県で震度5弱の地震が起こるなど、日本全土で地震が絶えない。そこで重要になってくるのが、日頃からの防災対策だ。そこで備え・防災・BCP策定アドバイザーでソナエルワークス 代表の高荷智也氏に、日頃から何をすべきか、そして被災時にはどうすべきかを聞いた。
――今回の大阪北部地震の印象を教えてください。
高荷智也氏(以下、高荷) 現在(18日20時)までの情報をもとに話しますが、死者も出ていることから、小規模地震ではありません。とはいえ地震の大きさでは過去の大震災と比較すれば、今のところでは大震災とは呼べません。ここでの教訓は、小学校でブロック塀が倒壊し、通学中の女児が死亡したことを考えてみても、事前の対策をおろそかにすべきではないということです。
しっかりとした対策ができていたところでは、被害はそれほど生じていませんが、できていなかったところでは、被害が起るべくして起ったと考えています。ブロック塀にしても、古くて地震が来たら倒壊すると予想されたところでは倒れています。事前の対策や準備が、そのまま生死に直結するということが如実に現れていると感じます。
――被災地の方々に、気をつけていただきたい点は?
高荷 これは被災地以外の方にも伝えたいことですが、地震発生後にはデマ情報の拡散が起こります。今回はシマウマが逃げ出したというデマ情報が流れましたが、Twitterを見た方は、いまいちど立ち止まって「この情報は本当だろうか?」と考えるべきです。“逆検索”をし、その情報の真偽を確認すべきです。ですから、すぐにリツイートせずに、情報が正確であることを確認してください。
また、便乗詐欺にも気をつけてください。義援金詐欺や被災地の屋根などの点検詐欺が必ず出てきますから、注意してください。
――個人として、地震に対する事前の準備や対策は?
高荷 台風と異なり、大地震は前触れなく、突然ピークに襲われます。ですから、直前までの対策がそのまま生死につながります。家屋が倒壊するほどの大震災では、本当に家の耐震や家具の固定をしっかりしていたかどうかなどの事前の準備が大切です。個人の防災対策では、防災グッズを購入して安心してしまいがちですが、防災の目的は「死なないために何をすれば良いのか」に尽きます。ですから、防災は日頃の準備が大切だということです。
地震対策で最初に行うことは、地震による「圧死・窒息死」を回避する環境を用意することです。自宅が1981年6月1日以前に建築確認申請を受け、建設された建物(以下、旧耐震建物、それ以降は新耐震建物)であれば、すぐに耐震検査を受け、結果が思わしくない場合は「建て替え」「耐震補強」「引っ越し」を検討してください。また、地震によるけがを防止するためにも、家具の配置換え、家具の固定、ガラスの飛散防止、火災が発生した場合に備えて、消火器の準備など、さまざまな対策を講じる必要があります。