「ワイルドブルーヨコハマ」「富士ガリバー王国」「鎌倉シネマワールド」…スピード閉園した90年代のテーマパーク5選
あなたにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか?
1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から、厳選した記事をお届けします。
さて、今回振り返るテーマは、スピード閉園した90年代のテーマパーク。バブル期前後に建設されたものの、後に平成大不況の煽りを受けて、あえなく討ち死にしていった懐かしの遊園地の栄枯盛衰と、跡地の現在について紹介していきます。
第5位 ワイルドブルーヨコハマ
■営業期間:約9年3カ月(1992年6月13日~2001年8月31日)
かつて横浜市鶴見区にあった大型屋内温水プールテーマパーク・ワイルドブルーヨコハマ。筆者も地元が鶴見区だったので、幼少期に幾度となく行きました。高級感あふれるエントランスで受付を済ませ、無数にロッカーが並ぶ更衣室でチャチャっと着替えて、息を弾ませながら階段を上ると、そこには、南国のビーチを思わせるメインプール「BIG BAY」が……。さらには流れるプール、ウオータースライダーなどもあり、毎回ヘトヘトになるまで遊んだものです。
しかし、開園以来、目標の来場者数を一度も達成することなく、2001年に閉園。現在は高級マンションがそびえ立っています。
第4位 ららぽーとスキードームSSAWS
■営業期間:約9年2カ月(1993年7月15日~2002年9月30日)
1987年、ホイチョイ・プロダクション原作の映画『私をスキーに連れてって』(東宝)の大ヒットが契機となり、世間は空前のスキーブームに。93年にはスキー人口が1860万人に到達し、盛り上がりはピークを迎えます。このブームに乗り、千葉県・JR南船橋駅前に建築されたのが、ららぽーとスキードームSSAWS、通称「ザウス」です。
「世界最大の屋内人工スキー場」を謳い文句にしていた同施設は、全長約490m、幅100m、高さ96mと圧巻の規模を誇り、総工費は400億円。この莫大な経費を回収するため、入場料+2時間滑走料金「5900円」という強気な価格設定で臨んでいたのですが、客足は今ひとつ。それならばと5400円に価格改定し、さらにはウェブサイト予約者に3800円となる割引券を配布するなど、怒涛の値下げ攻勢を仕掛けたものの力及ばず2002年9月30日、営業を終了。跡地には現在、スウェーデン家具専門店「IKEA」の日本1号店や大型マンションなどが建っています。
第3位 富士ガリバー王国
■営業期間:約4年3カ月(1997年7月26日~2001年10月28日)
1995年3月22日、日本中を震撼させた宗教団体・オウム真理教によるテロ、地下鉄サリン事件が起きました。そのオウム真理教がサリンを製造工場していた宗教施設「サティアン」の所在地だった山梨県・上九一色村に、「富士ガリバー王国」がオープンしたのは1997年7月26日のことでした。
日本初のフランス人形劇、世界初のインドアリュージュ、ワラビーやトナカイがいるふれあい牧場など見どころは多かったものの、やはり「上九一色村=オウム」のイメージを払しょくすることができずに苦戦し、わずか約4年3カ月で閉園。現在はシンボルである巨大ガリバー像をはじめ、当時の施設を残したまま廃墟化し、心霊スポット扱いされているとのこと。
第2位 アリスの森
■営業期間:約4年(1989年~1993年)
おそらく、これまで列記したテーマパークのなかで、もっとも一般的に知られていないのが、この茨城県緒川村(現常陸大宮市)にあった『アリスの森』でしょう。
ふれあい牧場、アスレチックなどを売りにしたテーマパークでしたが、わずか4年で閉園。園内施設のほとんどが撤去されているものの、撤去しきれなかった看板や廃ロッジなどが残っており、廃墟マニアにとってはフォトスポットとして人気を博しているようです。
第1位 鎌倉シネマワールド
■営業期間:約3年2カ月(1995年10月10日~1998年12月15日)
そして、栄えある第1位に輝いたのは、映画会社・松竹の肝いりでスタートしたものの、わずか3年余りで潰れた伝説の遊園地「鎌倉シネマワールド」。
筆者自身、同テーマパークに行ったことがあるのですが、それはもう、ひどい有り様でした。いくつかあるフロアはどこも閑散としており、アトラクションは軒並み低クオリティー。気分ダダ下がりの客たちをなんとか盛り上げようと、従業員のお姉さんたちが一生懸命ハイテンションで接してくれるのですが、それが余計、しらけたムードに拍車をかけていました。
結局、総工費150億円をかけたものの大幅な赤字を叩きだし、わずか3年2カ月で廃業。跡地は鎌倉女子大学大船キャンパスになっています。
この連載では、次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)