ドラゴンボールの強さの指標「戦闘力」を振り返る!インフレ進み、なんと2京3000兆まで上昇
あなたにとって「懐かしい」とは、どんな情景でしょうか?
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さて、今回振り返るテーマは「ドラゴンボールの戦闘力」について。
当時画期的だった、強さのバロメーター「戦闘力」。強力な敵キャラが登場→悟空たちが修行して戦いを挑む→倒す→もっと強力な敵キャラ登場→もっと修行する……という、果てなき堂々巡りのなかで、どんどんインフレーションを起こしていく。この強さの指標が、最終的にどれくらいまで上昇したのか。今回は、悟空と代表的敵キャラの戦闘力を対比しつつ、振り返っていきたいと思います。
そもそも「戦闘力」とは?
まず、「戦闘力」について簡単におさらいしましょう。「戦闘力」とは、その名が示す通り、ドラゴンボール世界の戦闘における、強さのバロメーター。突如として地球に来襲した、悟空の兄でサイヤ人のラディッツが持ち込んだ、敵の強さを数値化する機器「スカウター」の登場によって、初めてその存在・概念が作中で明かされました。
そのラディッツが最初に地球人(農夫のおじさん)と遭遇した際、物語を読み解くうえで重要なカギとなる、ある重要な一言を言い放ちます。
「戦闘力…たったの5か…ゴミめ…」
ドラゴンボールファンから愛されてやまないこの名文句は、「普通の成人男性=戦闘力5」という概念を明示することによって、戦闘力1000だとか1万だとかに達する悟空たちドラゴンボールキャラと、我々読者の差をはっきりと認識させたのでした。
ちなみに、悟空とラディッツが戦った時の戦闘力は以下の通り(以下、特に記載がない場合は原作準拠)。
悟空…334
ラディッツ…1500
戦闘力にしておよそ1200、成人男性にして約230人分、悟空が劣っています。数字だけ見れば、悟空に勝ち目はありません。しかし、「カメハメ波などの必殺技を撃つ」「怒りで潜在能力が解放される」などのギミックが加わると、戦闘力が上がるという謎設定があとあと追加されたことによって、辛くも勝利を収めます。
次の敵(ベジータ)との戦いで、戦闘力の相場は万単位に跳ね上がる
ラディッツを倒した後、地球へ来襲するさらなる強敵ナッパ・ベジータを迎え撃つため、1年間修行を重ねた悟空たち。作中で表現された戦闘力は以下のようになります。
悟空…5000
ベジータ…1万8000(推定)
悟空は厳しい修行の末に習得した技「界王拳」によって最大、2万1000以上にまで戦闘力を上昇させ、強敵ベジータを追い詰めたのでした。
衝撃的だった「わたしの戦闘力は53万です」
ちょうどバブル期だった連載当時、鳥山明が、世間を騒がせていた「地上げ屋」をモチーフにして「宇宙の地上げ屋」として登場させた敵キャラ・フリーザの出現により、戦闘力のインフレはピークを迎えます。
「わたしの戦闘力は53万です」
このセリフを初めて見たとき、聞いたときのインパクトといったら、ありません。「こんなの勝てるわけないじゃん」と、誰もが思ったものです。ちなみに悟空との差は以下のような感じ。
悟空…18万
フリーザ…53万
しかし、勝てるようにするのが、勧善懲悪作品のカタルシス。その後、第二形態、第三形態、最終形態と変身し、戦闘力数百万レベルに達したフリーザを倒すべく、悟空は「超(スーパー)サイヤ人」へと超変身。見事、フリーザを撃破するのですが、もはやインフレし過ぎた「戦闘力」の概念は、このフリーザとの戦いをもって作中から実質退場となったのでした。
なお、現在もファンの間では、悟空とベジータが合体した超戦士・ベジットが9000億で、2013年公開の映画『ドラゴンボールZ 神と神』の敵キャラ・破壊神ビルスが1京5000兆、最近まで放送されていたアニメ『ドラゴンボール超』に登場したヴァドスが2京3000兆など、途方もない数値が議論されています。一度、鳥山先生に公式見解を示してもらいたいものです。
この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、ぜひお待ちしております。
(文・構成=ミドルエッジ)
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