「2018 FIFAワールドカップ(W杯) ロシア大会」グループリーグ第2節の日本代表とポーランド代表の試合が本日、いよいよキックオフを迎える。日本は初戦のコロンビア戦で勝利すると、第2戦のセネガル戦で引き分け、第3戦となるポーランド戦で勝つか引き分ければ決勝トーナメント進出が決まる。日本人サポーターたちの期待も高まっているが、試合の行方を握るカギについて、元プロサッカー選手で元日本代表FWの平山相太氏に話を聞いた。
――4月に西野朗氏が監督就任後の国際親善試合では連敗もあり、大会前には決勝トーナメント進出を危ぶむ声も多かった。
平山相太氏(以下、平山) 西野監督体制となって3試合目のパラグアイ戦では、前2試合と戦い方がガラリと変わり勝利したが、この試合で西野監督の方針がチームに浸透し、“日本代表のサッカー”が確立したと感じた。西野監督も選手も強い自信を持って、チームとして非常に良い状態でW杯予選に入ることができた。
――コロンビアとの初戦を見た感想は?
平山 試合開始早々、日本が仕掛けるかたちでコロンビア選手を一人退場させ、その後もセットプレーから得点につなげるなど、特に後半は終始日本が試合をコントロールしており、選手全員のコンディションが出来上がっていた。
――セネガルとの第2戦、先に得点を許したあとで追いつくというパターンを繰り返し、引き分けに持ち込んだため、日本は苦戦を強いられていたという見方もある。
平山 1点目の失点はGKのミスだが、大前提としてサッカーにミスはつきもの。その失点後に点を取り返すというのは、チームとして実力がなければできない。しかも個々の選手の身体能力が高いセネガル相手にそれができたというのは、それだけ日本の実力が高いという証し。
――大会前、西野監督の采配や、選手層がベテラン勢に偏っている点に批判もあった。
平山 たとえばセネガル戦、岡崎慎司が相手GKに対して“つぶれ役”になることで本田圭祐にボールをつなぎ、ゴールが生まれるなど、ベテラン勢が勝利に貢献している。DF長友佑都、主将のMF長谷部誠含め、ベテランの経験値が生きている。特に岡崎と本田はハリルホジッチ前監督のままだったら日本代表に選ばれていなかった可能性もあり、結果として西野監督の采配が的中しているといえる。大会前にあった日本代表へのバッシングを払拭した。
ポーランド戦のカギ
――第3戦、日本勝利のカギとなるのは?
平山 引き分けでも決勝進出という状況だが、しっかりと勝ちに行くことが重要。カギとなるのは、やはりMF柴崎岳だ。ここまで、縦パス、ショートパス、サイドチェンジを織り交ぜ、柴崎を起点として攻撃が始まるケースが多い。ポーランドが柴崎へのマークを厚くしてくる可能性もあるが、柴崎はポジショニングもボールの受け方もうまいし、パスを出せるようにいい位置でボールを受けており、たとえマークされても、その“上を行く”だろう。