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検察、森友問題で刑事告発受理された38人全員を不起訴…安倍政権の意向を尊重

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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 森友問題の核心は、新たな埋設ごみが、あったのか、なかったのかという点である。筆者は当サイトで13回にわたって報告してきたが、さまざまな資料を検討した結果、新たな埋設ごみはなかったということが結論である。ところが、国はごみのあるなしについては確定を避け、その後の諸手続きを進めている。この点を知っているのは、各党の森友問題担当者や市民団体のごくわずかの人たちであり、多くの国民の共通認識にはなっていない。

 森友問題は周知の通り、約9億円の国有財産を、埋設ごみを理由に約8億円値引き、約1億円で払い下げたことから始まった。国有財産が約9割引きの格安で販売されたことから国民の関心を集めた。もし埋設ごみがなければ、値引きは不法な処理となる。国有財産を損なう処理であったということになる。

 昨年12月13日に、民進党(当時)の国会でのヒアリングで産廃マニフェスト(産業廃棄物管理票交付等状況報告書)が取り上げられ、森友学園用地から校舎建設後に運び出されたごみは194.2トン、約200トン。当初国は「約2万トン」と説明していたが、実際にはその100分の1であることを国交省は認めた。他省庁にわたる問題の場合、国の一省庁の見解発表であっても、事前に省庁間のすり合わせを行う。したがってこの見解は、財務省を含む国の見解といってよい。

 この点について昨年7月、筆者は国会での記者会見で発表していた。5カ月遅れで国が認めたことになる。しかもその産廃マニフェストで報告されているごみの種類は、「新築系混合廃棄物」であり、そこには埋設ごみは1トンも含まれていない。ところが、国は予算委員会など国会審議の場で、この核心点について今もって訂正発表していない。国の発表は約2万トンのままであり、こっそりと100分の1だったと認めつつある。「過ちを認めない。それを過ちという」との格言があるが、それを絵に描いたように行っているのが、日本政府である。

 筆者は、これまで報告発表してきたことを『森友 ごみは無いのに、なぜ、8億円値引き』にまとめて上梓した。6月の発売に先駆けて、与野党全国会議員に献本した(受け取りを拒否した議員が数人いた)。国会会期中であり、真相追及に生かしていただくために献本した。先日お会いした社会映画の製作・上映活動を行っているNPO代表の方も、同書の表紙を見て、「ごみがなかったのですか?」という驚きの声を上げた。

 すでにごみがなかったという事実は、インターネット上では数百万人に届けられ、当たり前になっていると思っていたが、大手マスメディアはこの核心点を正面から取り上げていない。そのせいもあってか、今もって国民に届いていない。

 では、なぜ取り上げないのか?

 立憲民主党の森友問題PJ(プロジェクト)リーダの話によると、大手マスメディアは国が認めない限り「ごみはない」と言わないという。これでは、政権与党が国会で多数を占め、数を頼りに事実に蓋をすれば、ことはそのまま進められていくことになる。安倍晋三首相は国会審議のなかで「ごみはあるのだから値引くのは当然でしょう」と答弁している。自民一強体制の下で安倍首相が「ごみがある」と言えば、異なった見解は言えない状態、まるで“裸の王様状態”となっている。

 裸の王様の童話は、王様といかさまの機織りの話で、「馬鹿には見えない布だ」という話を聞いた王様が「素晴らしい布だ」と言うところから始まる。他の従者も「素晴らしい服装だ」と合わせ、裸の王様を見た子どもが笑いながら「裸の王様だ」と言うまで誰も指摘しないという話だ。童話では、子どもが王様が裸であることを指摘する。

 一方、今の日本では「森友問題では、新たなごみはなかった」という事実が無視され、マスメディアでも取り上げられない。これでは日本中が“裸の王様状態”になり、外国から見れば、おバカな王様を頂に掲げる独裁国家としか見えない。

 最新の毎日新聞の世論調査では、森友・加計問題には納得していないという声がいまだ75%と発表された。国民の75%の「納得しない」の感覚こそ、「王様は裸だ」と叫んだ子どもの声である。この声を広める必要がある。

大阪地検特捜部、38人全員不起訴の発表

 5月以降、森友問題は大きく動いた。5月31日、大阪地検特捜部が告発されていた38人全員の「不起訴」を発表した。6月4日、財務省は省内調査の結果を発表し(写真2)、改ざんを認めたものの、大臣をはじめかたちだけといえる処分発表をした。6月19日、会計検査院は財務省の改ざん判明を受けて、異例の中間発表を行った。

検察、森友問題で刑事告発受理された38人全員を不起訴…安倍政権の意向を尊重の画像2
検察、森友問題で刑事告発受理された38人全員を不起訴…安倍政権の意向を尊重の画像3

 森友問題は、3月の朝日新聞による書き換え(改ざん)スクープを受けて、国有財産の不当な払い下げや交渉記録などの廃棄だけでなく、立憲国家を揺るがす公用文書改ざんと言う大罪も問われることになった。

 この改ざん問題を受けて、担当職員が「自死」したこともあり、先に財務省理財局長から約5万6000人の職員を擁する国税庁の長官に就任していた佐川宣寿氏は辞任したが、引き続き国会での証人喚問を受け、事態は佐川氏をはじめとする関連職員の刑事犯罪容疑者としての立件が次の焦点になっていた。

 5月31日に大阪地検特捜部が下した全員「不起訴」の判断は、大方の国民にとって驚愕する内容だった。1年間話題が絶えることなく各紙の1面を賑わしてきた森友問題だったが、東京地検特捜部などが一度は市民の告発(関係する官僚の背任罪と公用文書毀棄罪の訴え)を受理していたにもかかわらず、すべてを「不起訴」としてしまったのである。これでは、官僚たちはときの政権や首相の意に沿えば、何をやってもよいことになってしまう。

 これに対して、背任罪で訴えを起こしていた「森友告発プロジェクト(現森友・加計告発プロジェクト)(藤田高景共同代表)をはじめとした3市民団体や、公用文書毀棄罪で訴えを起こしていた「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(八木啓代代表)も相次いで検察審査会に訴えを起こし、事案は検察審査会で「起訴」か「不起訴」を争うことになった。

 一方、参議院の訴えを受けて、会計検査院は昨年11月、森友問題の核心である約8億円の値引きが「根拠不十分」「不適切」との見解を示していた。ところが検察の判断は「撤去費の清算は不適正とはいえない」というもので、会計検査院の判断とは180度異なる。しかも会計検査院が異例の「中間報告」(6月19日)を示すなかでの「不起訴」であった。巨悪の犯罪を許さないためにつくられた検察特捜部が、本来の役割を忘れて犯罪行為を見逃せば、国家の土台が揺らいでしまう。

検察特捜部の不起訴は、巨悪を追い詰める任務放棄

 この間、日本大学アメフト部の監督指示による傷害事件や、東京医科大学の裏口入学、日本ボクシング連盟の不正審判事件などが報じられている。大学やスポーツ界で、絶対的な権力者の下でよこしまな運営が行われていることが暴露された。共通しているのは、絶対的な権力者による長期にわたる支配体制の下、社会的には許されない不法行為が行われている事実が白日の下に晒され始めたということである。

 日本ボクシング連盟では、審判への圧力によって敗者を勝たせるという不正な審判が行われていた。一方、森友問題は、国交省大阪航空局が保有する国有産の払い下げをめぐる国交省と財務省の不正問題であり、安倍政権が背後でどのように関与しコントロールしてきたか、真相解明が検察に期待されていた。

 ところが、一切に蓋する「不起訴」決定である。大阪地検特捜部の「不起訴」判断は、権力におもねり、「黒を白」とする判断とはなっていないのか。

 森友問題ではこの1年、下記のような問題が次々と浮かび上がってきた。捜査権を持つ警察権力しか調べることのできない事柄も多いが、国会や会計検査院などでのさまざまな調査の結果を受け、国はそれらを十分に総括してきたといえるであろうか。

・国会での「妻や私が関与していれば議員を辞める」という安倍首相の発言(改ざんの引き金となっていなかったか)
・証人喚問での森友学園元理事長・籠池泰典氏の「首相夫人からの100万円の寄付の受け取り」発言(実際に100万円寄付は行われたのか)
・産廃マニフェストに記載されていた約2万トンの100分の1に当たる約200トンの「新築系混合廃棄物」。埋設ごみは「ゼロ」であった(2万トンの埋設ごみの有無)
・東京地検特捜部の市民告発状(背任罪と公用文書毀棄罪)文書の受理。
・会計検査院による「根拠不十分」算定、「不適切」との検査結果の発表
・同地の不動産鑑定評価書が見つかり、時間がなかったので国交省が算定したという嘘が発覚(国交省が鑑定した理由が消滅)
・国有地貸付や延納特約や契約金額非公表等、過去数年の1000件で1件しかない特例
・朝日新聞による財務省内での森友関連文書の書き換え(改ざん)スクープ(改ざん前決裁文書も問題)
・改ざんの担当職員の「自死」(背景)

 首相や大臣の首が何個も飛ぶような事態が、森友問題をめぐって起きてきた。しかし市民の告発を受けて大阪地検特捜部は、籠池夫婦を別件逮捕し約300日勾留しただけで、国有財産を根拠なくただ同然で払い下げた財務省や国交省の官僚は全員「不起訴」とした。

ずさん極まりない大阪地検特捜部の判断

 大阪地検特捜部は「不起訴」とした判断根拠として、以下の3点を示した。

(1)撤去費の清算は不適正とはいえない
(2)職員らに国に損害を与える意図があったとはいえない
(3)改ざんは、虚偽とまではいえない

 まず、新たな埋設ごみを約2万トンと算定し、その撤去費用を約8億円とした点について「不適正とはいえない」と説明している。ところが、一番の核心点である埋設ごみは、どれだけあったのかという事実については述べないで、「不適正とはいえない」結論づけている。埋設ごみの有無という核心点に触れないという驚くべきずさんさである。

表1 財務省が示した売却金額の計算根拠(2017年11月22日)
契約金額(1億3400万円)
=更地鑑定価格(9億5600万円)
-大阪航空局が算定した撤去料(8億2200万円)

 埋設ごみは、これまで国は国会で約2万トンと答弁し、売買契約書にはその撤去料として約8億円かかるとの内訳を示していた。財務省は昨年、会計検査院の報告が出た日に、国会議員へのレクチャーで、計算根拠を表1のように説明していた。

 森友学園用地は、不動産鑑定士がその更地鑑定価格を9億5600万円として算定していた。その更地鑑定価格から国交省大阪航空局が、算定した埋設ごみ約2万トンの約8億円の撤去料を差し引いて、契約金額を1億3400万円とした。従って、この計算根拠で言う撤去料約8億円が妥当なものであったかどうかが、まず問われたが、大阪地検特捜部は「不適正とはいえない」と説明している。

 埋設ごみについては、参議院の国会法に基づく要請によって会計検査院が検査を行い、昨年11月22日に報告書を発表している。値引きは「根拠不十分」であり「不適切」という報告を行い、その後の国会での川内博史議員(立憲民主党)の質問に、「不適切とは違法・不法であるという意味だ」と答弁している。約2万トンの計算を行った時に使った数値(深さ:3.8m、9.9m、混入率:47.1%、重量当たりのコスト:2.25万円)は、いずれも根拠がないなどと答弁していた。

 つまり、国の会計検査院が「不適切」と言っているものを、理由を示すことなく「不適正とはいえない」と発表している。このように検察の「不起訴」の判断根拠は、会計検査院が示した事実すら無視している。国家の機関として、検察は国民の犯罪行為だけでなく、会計検査院同様に政府を監視する役割を持っている。会計検査院は特に内閣から独立し、国の財務会計の是非を検査・判断する約1000人の職員を擁するプロ機関である。その会計検査院が「不適切」と報告している点と異なった見解を示すなら、誰からもわかる理由の提示が必要である。

 これまでの会計検査院の発表や国会での審議経過をまったく無視して「不適正とはいえない」というのは、「天の声」ならぬ「権力者の声」を代弁したものとなろう。検察が撤去費の概算について、会計検査院と同じ判断をした場合でも、犯罪の立件に際しては、故意に格安で払い下げたのかという点や第三者への利益供与が図られたのかといった点の捜査・判断が必要になり、そうした独自視点でこそ役割を果たすべきではなかったか。

「職員らに国に損害を与える意図があったとはいえない」という点について、埋設ごみが、あったのかなかったのかの事実認識について示さなければ、ここでいう「損害」は何を指すのかわからない。そもそも国の職員は、何度も森友学園建設用地の地下部分の地層は調べており、3m以深の地層から埋設ごみは出ていないという事実は、契約書添付の資料にも掲載されていた。

 その点を考えても、財務省の担当者は知っていたはずである。だからこそ真面目な担当者は昨秋から心を痛め欠勤がちになり、今年3月に自死することになったのではなかったか。国の改ざん行為によって、まじめに働いてきた職員が「自死」に追い込まれる。そのような不正がなぜ不問に付されるのか。

 また「改ざんは、虚偽とまではいえない」という見解には驚いてしまう。今回の改ざんは、国と森友学園との貸付と売買契約にあたって作成された決裁文書を改ざんしたものである。改ざんや廃棄は、単なる書き間違いというレベルではなく、官僚もしくは政治家の指示によって、不都合なところを数百カ所、何百ページにわたり改ざんし、廃棄したものである。

 もし百歩譲って、改ざん自体が法に触れないものであれば、なぜ改ざんしたのか、なぜそれを隠していたのかが疑問になる。「改ざんは、虚偽とまでいえない」というのは、捜査権を持つ大阪地検特捜部の捜査の詰めが大甘でしかないことを自ら語ったことになる。改ざん前の決裁文書にも、安倍首相夫人の昭恵氏の関与や政治家からの働きかけがあったことが記載され、これが首相案件として処理されたことを示す記述があり、それらは改ざん・削除されていた。

 一方、約9億円の国有財産をなぜ約90%の約8億円も値引いたのか。今回の核心点についての記載は、改ざん前の決裁原本にもなかった。検察の捜査で問われたのは、その核心点を浮き彫りにすることであった。

森友問題 新たな埋設ごみはフェイク情報

 読売新聞やその他のマスメディアでは、森友問題の核心はごみの有無だと繰り返し報じているが、実際の有無には触れていない。また、国会でもその点の論議は行われていない。新たな埋設ごみはなかったというのは、大きくは次の4点で説明できる。

(1)もともと森友学園が校舎建設を進めた用地は住宅地であり、そうした土地は深さ3mくらいまでは住宅の基礎コンクリートや下水の配管などのごみがある。それは校舎建設の前年(2015年)に、合計953トン、約1000トン除去されていた(この土壌改良工事は、森友学園から株式会社中道組が請け負い、除去した種類・量は、産廃マニフェスト<2016年度>で報告されていた)。

(2)同用地は売却に備えて何度も地層調査されていた。その調査によれば、深さ3mより深いところは太古の時代からの堆積層で、生活ごみは見つかっていない。

(3)校舎建設によって掘削した土壌の中に、すでに除去した埋設ごみの20倍もの約2万トンのごみがあると国は推測して約8億円値引いた。しかし産廃マニフェスト(校舎建設を森友学園から請け負った藤原工業株式会社の2017年度報告書)で提出された豊中市の公式記録では、194.2トンの「新築系混合廃棄物」の記載しかなく、約2万トンの100分の1であった。

(4)また、その「新築系混合廃棄物」は建設時に建設資材を梱包する資材や端材であり、値引きの根拠となる埋設ごみは1トンもなかった。

 以上のように、2万トンどころか1トンも埋設ごみがなかったことが、国による提出資料からわかった。筆者は、これらを軸にして『森友 ごみは無いのに、なぜ、8億円値引き』を執筆した。

国家的な詐欺との闘い

 筆者は産廃マニフェストについて昨年7月7日に国会で記者会見を行い、日刊ゲンダイや「週刊朝日」(朝日新聞出版)で取り上げられ、5カ月後の12月13日に民進党のヒアリングで国交省が埋設ごみが約200トンであると認め、メディアで大きく報じられた。そのため、さすがに国も埋設ごみが約2万トンあったと主張できなくなっているが、最近は微妙に主張内容を変えている。

 6月16日付読売新聞は、『「モリカケ」が終わらない』と題するコラム「補助線」でこう書いている。

「財務省がゴミ撤去費用をあいまいにし、籠池氏側がこわもてで付け入ったために、小学校開設の遅れという訴訟リスクを恐れ、値引きを飲まざるを得なかった。これが問題の本質ではないか」(調査研究本部客員研究員:小田尚氏)

 この主張は麻生太郎財務大臣の国会答弁と同じで、国の公式見解とみて良いだろう。つまり、「一度ごみを除去したうえで校舎建設に入り、深部から埋設ごみが見つかり、その量が2万トンだった」とするには無理があり、これまでの2万トンとしていた国の主張はあいまいにして隠してしまう。その上で、「埋設ごみ量はその100分の1だったとしても、籠池氏から建設工事に邪魔なので取り除けと言われた。それを取り除かなければ、訴訟に訴えると脅されたので、やむなく格安で売り払うことにした」という筋書きである。

 しかし、繰り返しになるが、この100分の1のごみは新築系混合廃棄物であり、そのなかには埋設ごみはない。また、2015年の7月から12月に行った土壌改良工事で第1回の埋設ごみの撤去は行っているために、建設の邪魔となるような埋設ごみはない。したがって、存在しないごみを理由に脅されることもない。つまり「脅されるから格安値引きの契約を結んだ」ということ自体まったくのフェイクだということをここでは主張しておきたい。そして、大阪地検特捜部の「撤去費の清算が不適正とはいえない」という判断も、この国の筋書きに沿った無理筋なものである。

 なお筆者は前出拙著によって、新たなごみはなかったという事実に蓋をするのではなく、産廃マニフェストを各メディア各社も入手し、広く国民に知らせていくことに期待したい。(産廃マニフェストは、豊中市に情報公開請求すれば、誰でも入手することができる。)

 最後に、拙著を読まれた方から寄せられた感想を紹介したい。

「一気に読ませていただきました。子供のかくれんぼは、頭隠して尻隠さずと笑ったものです。この本を読んで、このことわざが浮かびました。森友問題の核心がこれほど幼稚な方法で行われていたことに衝撃を受けました。天下の官僚が、です。

 官僚と言えば、前川喜平さんを思い出します。地元の講演会で生の前川さんの言葉を聴き、その人柄と頭の良さに感心したのですが、前川さんはピンなのですね。あったことを無かったことにはできないと前川さんは言いました。

 でもキリの官僚は、それを実行していたのですね。ありもしないごみを机上計算だけであったことにする。しかもその計算たるや数字に弱い私にもすぐにわかる間違いだらけです。

 そして、ここで想像したのは、この森友問題では、もともと木村真さん(豊中市議)がいて、その一部始終が発覚したわけですが、この問題は、おそらく氷山の一角に違いないと思いました。それは、なぜ、あれほど幼稚な方法で偽造、ねつ造、改ざんなどの悪事を行ったのか、と考えたからです。それは、国の財産の売買では、これまでも同じようなインチキをやっていたのに、ばれたことがまったくなかった。そのために、ばれたときのことをほとんど考えていなかったのではないか、と考えたのです」(小田美智子 鶴ヶ島市)

(文=青木泰/環境ジャーナリスト)

●『森友 ごみは無いのに、なぜ8億円値引き』(青木泰/イマジン出版/1000円)
本ニュースサイトや「紙の爆弾」(鹿砦社)で約10回にわたって報告した内容をまとめました。本紙ニュースサイトや「紙の爆弾」編集部には、各種資料などの転載を快く引き受けていただき、この場を借りて感謝いたします。
なお、同書の出版記念プロジェクトが結成され、同書の活用を願って国会議員への献本に加え、全国の図書館にこの本を寄贈する活動への支援活動(クラウドファンディング)も行われています。

青木泰/環境ジャーナリスト

青木泰/環境ジャーナリスト

元大手時計メーカー研究所勤務。中途退職後、中小企業の技術顧問をしながら、「廃棄物の焼却処理による大気汚染等の環境影響」や「資源リサイクル問題」等をテーマに著作や市民活動を重ねる。3.11後、汚染がれきの広域化問題の講演会や学習会で全国約100箇所講演。「被災避難者支援」や「ごみ問題」で国会議員にも情報提供。廃棄物資源循環学会会員。環境行政改革フォーラム(青山貞一主宰)会員。NPOごみ問題5市連絡会理事長。

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