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五代目山健組が六代目山口組復帰情報…山口組分裂問題はついに「終わりの始まり」か

文=山口組問題特別取材班
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神戸山口組・井上邦雄組長
神戸山口組・井上邦雄組長

 6年前、六代目山口組が分裂して、神戸山口組が誕生した。その背景を語る上で、山健組という巨大勢力の存在は必要不可欠だった。山健組は、山口組の長い歴史の中にあっても一際特別な存在であり、その組織が六代目山口組体制から割って出たという出来事は大事件といえることだったのだ。

 そんな山健組が大きく揺れたのは、神戸山口組が発足して、わすが1年数ヶ月後のこと。当時、神戸山口組の最前線に立ち、時の人として各メディアからも脚光を浴びていた織田絆誠会長(現・絆會会長)らが、突如、神戸山口組を離脱し、新組織を結成。山健組が分派されることになったのだ。そのことは、すなわち神戸山口組全体の勢力にも影響を与え、ひいては山口組分裂騒動の行方を左右することにつながっていった。

 さらに、その後も山健組傘下の武闘派組織が六代目山口組に復帰するなど、神戸山口組の勢いに目に見えた翳りが生じることになっていく。

 それでもこの間、山健組は、四代目の井上邦雄組長から中田浩司組長に代替わりを果たすなどの新体制を発足させ、神戸山口組の中核を担い続けてきた。

 「それは、神戸山口組は山健組を中心として、最後まで諦めず闘い続けるという意思の現れだったといえるのではないか。実際、多くの離脱者が出て、神戸山口組が劣勢に立たされたといわれる中でも、五代目山口組時代には最大勢力を誇っていた山健組が神戸山口組に存続する限り、分裂問題が解消するのには時間がかかるだろうという声が業界内では囁かれていた」(組織関係者)

 だが、そこでも神戸山口組は、思いもよらない事態に見舞われてしまうことになるのだった。

 昨年夏、五代目山健組を継承していた中田組長が、拘禁先から神戸山口組の離脱を表明。五代目山健組の多くの組員らが、中田組長と共に神戸山口組を後にするのである。

 その五代目山健組は、2つの山口組とは一定の距離を起きつつ、独立路線の道を選択することになると思われた。しかし、ここに来て、六代目山口組に復帰するのではないかと噂されているのだ。

 「一部の大手メディアも、このことについては報じています。当局筋からも同じような情報が流れてきています。中田組長率いる山健組が六代目山口組に復帰するのと、そのまま独立路線でやっていくのでは、神戸山口組にとっての意味合いも変わっていくでしょう」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 独立組織として五代目山健組が存続している場合、神戸山口組と即敵対関係とはならないだろう。一方、六代目山口組は、神戸山口組の存在自体を認めていない。つまり神戸山口組が存続し続ける限り、分裂問題は解決したとはいえないのである。そんな六代目山口組に復帰した場合、五代目山健組は神戸山口組の存在を否定し、壊滅を目指す側に立つ。つまり完全なる敵対関係になるのだ。

 「神戸山口組は、そもそも山健組と宅見組がタッグを組む形で立ち上がり、もしかしたら山口組と両立しながら存続し続けるのかとも思ったが、山健組が六代目復帰となれば、当初の目論見は完全に崩れることになる。やなりヤクザは筋を違えては、存続ができないということだったのではないか」(某組織幹部)

 言い尽くされてきた言葉だが、山口組の分裂問題はいよいよ「佳境に入った」という表現がはっきり当てはまるところまで来たようだ。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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