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鹿児島県霧島市に日本中から1451人が移住した理由…

文=山田稔/ジャーナリスト

 今年度は10月5日から7日にかけて1回目のツアーが開催され、大阪や茨城から3組の家族10人が参加した。宿泊先は温泉ホテルと湯治宿。西郷公園や嘉例川駅などの観光スポット巡り、移住者家族との交流会、空き家バンクの物件見学、稲刈りや陶芸体験など、多彩なメニューが用意されていた。

 大阪在住の30代の看護師の女性は「都会のマンション暮らしだと、ついつい子どもを叱りつけてしまうことが多い。子育て環境の整った自然豊かな土地で、のびのびと子どもたちに接していきたい」と、参加動機を語っていた。交流会では、市内の高原エリア(牧園町高千穂)に住む70代の徳丸さん宅を訪問。徳丸さん夫妻は07年の移住体験ツアーに参加して、翌年に横浜から移住してきた“パイオニア”だ。参加者は、夫人の手作り料理を味わいながら、家庭菜園、ゴルフや、これらの趣味を生かした移住ライフの話を興味深そうに聞き、近所付き合いや買い物など日常生活について質問したりしていた。神奈川で看護師をしていたという夫人が、参加者の看護師の女性に、自身の体験を踏まえながらアドバイスしているシーンが印象的だった。

中山間地に住宅新築で100万円を補助

鹿児島県霧島市に日本中から1451人が移住した理由…の画像3黒酢の本場(坂元醸造)

 移住者向けの行政支援、移住定住促進補助制度はどうなっているのか。まずは住宅。市外から霧島市に転入した「転入定住者」(移住者)に対して、市街地から離れた中山間地域で住宅を新築する場合は最大100万円、中古物件購入の場合は同50万円が住宅取得補助金として補助される。市街地の中古物件購入は最大20万円。また、住宅増改築の場合は、中山間地域は最大50万円、市街地は同20万円となっている。中山間地域の賃貸物件(戸建て)の場合は、月額賃料の3分の2(上限3万円)を12カ月分補助する。

 中山間地域の地価は坪2万円から5万円なので、100坪で200万円から500万円だ。3000万円もあれば、かなり大きな家を建てることができる。しかも100万円の補助を受けられるのだから、住環境に関しては恵まれている。

 また中山間地域への移住者に対しては、住宅取得補助金等を申請した移住者世帯に対して、中学生以下の子ども1人当たり30万円を扶養加算金として補助する制度もある。子育て世代への手厚い支援策だ。

 中山間地域では住民らが移住者引き受けに熱心なケースもある。高齢化率57.84%、小学校児童数18人という川原地区の公民館長は、創立140周年を迎えた小学校の再興を中核にした地区の活性化に取り組んでいる。棚田の整備、水路の点検など景観保全を地域ぐるみで行い、市内の保育園児を招待して鮎の放流や稲刈り、餅つき体験などを実施。現在、小学校には地域外から14人の子どもが通うようになった。今後は学校近くに住宅を整備することで、移住者の受け入れを目指している。行政と連携しながら、自分たちで移住者を受け入れ、地区の活性化に取り組んでいるのだ。

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