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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

入管法改正案、審議たった17時間で可決…ゴーン容疑者弁護人の“過去”と裏事情

文=神澤志万/国会議員秘書
入管法改正案、審議たった17時間で可決…ゴーン容疑者弁護人の“過去”と裏事情の画像1衆院法務委員会での入管法改正案の採決の様子(写真:日刊現代/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 今国会の目玉である、いわゆる“移民受け入れ法案”(出入国管理法改正案)が11月27日夜の衆議院本会議で賛成多数で可決されました。審議はわずか17時間。衆院法務委員会で強行的に採決され、本会議に緊急上程されました。採決は22時前となり、みんなクタクタでした。

 この法案は、外国人労働者の受け入れ拡大のために在留資格を創設するもので、法案に処遇などの細かい点が盛り込まれていないことから、野党からは批判が出ていました。

 この日の本会議でも、採決に先立って立憲民主党など野党6党派が山下貴司法務大臣に対する不信任決議案を提出しましたが、与党などの反対多数で否決されています。

 確かに地方を中心に労働者不足は深刻で、そのために法改正が必要なのは明らかです。しかし、今まで移民を受け入れたことのない日本が、急いで法改正する必要があるのでしょうか。法案は賃金や労働時間などの処遇や社会保険などの点が具体的でなくスカスカで、神澤も疑問に思う点は多いです。

 政府は来年4月から実質的な移民の受け入れを目指していますが、予算委員会や法務委員会の質疑でこの法案の問題点が浮き彫りになり、審議を聞きながら、「細かいところをきちんと決めてからでもいいのでは?」と思ったほどです。

 仮に受け入れ時期が1年くらい遅れたとしても、今後の日本の将来を考えれば詳細を詰めておくべきですよね。また、そのくらいは必要な準備期間だと思います。

 しかし、与党は委員長職権を連発して委員会をセットし、当初から27日に採決を行うことまで決定していました。12月10日の閉会日までに間に合わせたいからです。

 大臣の不信任案が提出されると委員会審議はストップするため、法務委員会は休憩になりましたが、与党が法務委員会に限らずほかの委員会でもゴリゴリと日程を押し付けているのは確かです。

 実は、こうしたゴリ押しに対しては自公の議員たちからもひそかに“抗議の声”が聞こえています。国会は民主主義の議論の場であるはずなのに、与党の意見を押し付けているだけの状況になってしまっているからです。

 秘書たちも、不信任案が提出されれば仕事が増え、帰宅時間のめどがつかなくなります。27日も早くから日をまたぐ見通しで、考えただけでみんなげっそりしていたのですが、実際にその通りになってしまいました。

与党内に「安倍政権に何も言えない空気」

 日本の人口規模をどうするのか、そのうち外国人の割合はどの程度が望ましいのか。本来、入管法改正は、こうしたビジョンを国会で示して広範な国民の理解を求めるべきです。それを短時間の審議で可決させてしまっていいのでしょうか。実は、悩んでいる国会議員は与党内にもいるのですが、今は安倍政権に対して何も言えない状況になっています。

 ただ、野党であるはずの日本維新の会が法相の不信任案に「反対」の立場で討論に立ったときは驚きました。今まであまり注目したことはなかったのですが、維新は野党です。それなのに立憲民主党をはじめ野党6会派が提出した不信任案に反対したことに、強い矛盾を感じました。一方で、維新は入管法改正案の問題点も以下のように指摘していました。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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