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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

入管法改正案、審議たった17時間で可決…ゴーン容疑者弁護人の“過去”と裏事情

文=神澤志万/国会議員秘書

ゴーン容疑者の弁護人に元特捜部長が就任

 19日に日産自動車のカルロス・ゴーン会長(当時)が逮捕されたニュースも、永田町を震撼させました。実は、16日夜から読売新聞グループ本社の主筆である“ナベツネ”こと渡辺恒雄氏の危篤説が永田町に広がり、「19日にも訃報速報が出る」と政治部の記者たちの間でささやかれていたのです。

 そのため、議員事務室のテレビからニュース速報の音が聞こえたとき、「とうとう……」と合掌したものの、画面を見て「えっ? ゴーン会長の逮捕?」と驚いた秘書も多かったようです。

 28日になり、読売ジャイアンツの山口寿一オーナーが「危篤でさえない。事実とまったく違う方向の情報が流れた」と語り、渡辺氏が出社していることも明らかにしました。そもそも危篤説がどこから出てきたのかもよくわからず、情報源が定かではない情報に振り回されるなんて、永田町の住人として恥ずかしい限りです。

 そして、ゴーン容疑者の弁護人には弁護士の大鶴基成氏が就くことが発表されました。大鶴氏は、いわゆるヤメ検で元東京地検特捜部長です。検察官時代にはゼネコン汚職や四大証券・第一勧業銀行の総会屋利益供与事件を担当し、「エース弁護士」との評価もあります。巷では「エース弁護士が就いたからには、ひょっとすると不起訴になるかもしれない」などともいわれていますが、それはあり得ないと思います。

 大鶴氏は、東京地検次席検事だった2009年に発覚した陸山会問題で、虚偽の捜査報告書を検察審査会に提出したとして告発までされています。これは、小沢一郎衆院議員の資金管理団体「陸山会」をめぐる蓄財疑惑で、10年に東京地検特捜部によって小沢議員の秘書たちが起訴されることになります。

 このとき、大鶴氏は部下の田代政弘検事らと共謀して強引な取り調べを繰り返していたことが知られており、圧迫質問で体調を崩した参考人も多くいたそうです。つまり、現在の特捜部からすれば“汚点”といっても過言ではない人物なのです。

「ヤメ検は、以前の検察人脈を駆使して少しでも罪を軽くしてくれるように動いてくれるメリットがある」などともいわれますが、実はそうでもないという話も聞きます。検察に限らないことですが、組織は「辞めた人間には冷たい」ですからね。それに、弁護の経験値が圧倒的に足りないため、弁護士として優秀なヤメ検はほぼいないともいわれています。

 ましてや、東京地検特捜部は過去の汚名返上のためにゴーン容疑者の事件を立件しようと必死になっているので、OBと裏取引をするというのは現実的ではないと思います。

 大鶴氏の就任の経緯はわかりませんが、その選択が正しいのか、裏目に出るのか、今後の事件のゆくえに注目していきましょう。
(文=神澤志万/国会議員秘書)

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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