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大阪万博は「負の遺産」の隠蔽…際限なき無駄な公共事業、将来は府の財政を圧迫

文=粟野仁雄/ジャーナリスト
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「夢よもう一度」へ突っ走る大阪だが、元大阪府議のジャーナリスト山本健治氏は70年万博の際、作家の小田実氏(故人)らと反対運動を展開した経験がある。

「『人類の進歩と調和』とか言っていたが、当時、公害問題や沖縄の米兵の狼藉、差別問題など問題は山積みだった。『世界の国からこんにちは』などと謳われたけど、会場に外国人などほとんど来なかった。閉幕後、大阪経済は落ちる一方で、万博で経済が活性化したなんて大嘘ですよ」(山本氏)

 山本氏は「今回、本当は夢洲へのIR(統合型リゾート)誘致でカジノがやりたいだけ。維新の会の票がほしい安倍首相の思惑と相まって、国が推すことになった」と話す。

 五輪は東京、リニアも名古屋止まりなど、このところ置いてきぼりの大阪。今回願ったりの当選だが、現在はアジアのなかで日本だけ経済規模が突出していた70年代ではない。そもそも大阪市民ですら万博への関心は極めて低い。ゼネコンのために公金を使いまくりたい行政による「押し付けイベント」である。

 山本氏は「今年、台風21号で大阪湾は大変だった。大型台風や南海トラフ地震などが来れば大変なことになる場所。そんなこともは何も考えられていない」とも指摘する。

 今回の誘致合戦では、有力視されていたパリ市が今年に入って財政負担への懸念から立候補を取り下げた。「フランスは、アホな大金を使うのは日本に任せとけ、と降りたのでしょう。賢い選択でしょうね」と山本氏は話す。同感だ。
(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

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