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静岡県・川勝知事、静岡市“廃止”へ本気…市長選で77歳の元市長擁立、現職排除へ 

文=小川裕夫/フリーランスライター
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静岡県・川勝知事、静岡市“廃止”へ本気…市長選で77歳の元市長擁立、現職排除へ の画像1川勝平太静岡県知事(写真中央)(写真:アフロスポーツ)

 今春、4年に一度の統一地方選挙が施行される。7月には6年に一度の参議院選が行われるため、統一地方選はその前哨戦と位置付けられており、その結果次第で参院選も大きく左右されかねない。

 自民党は国政において盤石の体制を築いているが、アベノミクスの恩恵が波及していない地方では、安倍政権への不信感は強まり、不満も抑えきれないほど高まっている。そうした兆候は、すでに選挙戦でも表面化しつつある。統一地方選の緒戦ともいえる山梨県知事選は、二階俊博幹事長が推した長崎幸太郎候補が当選した。しかし、この選挙では自民党県連と自民党本部が異なる候補を支援したため、勝利したとはいえ党内に禍根が残った。同様に福井県知事選、島根県知事選や福岡県知事選などでも自民党が分裂している。

 そんな保守分裂の選挙が続くなか、注目されている選挙がある。それが、政令指定都市であり静岡県の県庁所在地でもある静岡市の市長選だ。現職の田辺信宏氏は3期目を目指して、早くから出馬を表明していた。一時期、静岡県の副知事が対抗馬として擁立される動きもあったが、頓挫。そのため、実質的に田辺市長の不戦勝との見方が漂っていた。

 しかし、ここにきて過去に市長を務めた天野進吾県議が出馬を表明。静岡市長選が風雲急を告げている。かねてより、静岡市の田辺市長は川勝平太県知事とソリが合わず、何においても対立していた。それゆえに天野県議が市長選に立候補したのは、川勝知事が仕掛けた代理戦争との見方が強い。

 約365万の人口を擁する静岡県には、2つの政令指定都市がある。政令指定都市は県と同等の権限を有する。そのため、県知事と静岡市長・浜松市長はほぼ対等の立場にあるといえる。川勝知事が静岡市や浜松市に指示を出すことは容易ではなく、県知事としては歯がゆい思いをすることもある。川勝県知事にとって、両市は目の上のタンコブといえる。

「川勝知事は、浜松市に本部を置いていた静岡芸術大学の学長を務めていた過去があります。それだけに、浜松市はホームグラウンド。だから、政令指定都市といっても、それほど気にならないのでしょう。一方、静岡市は違います。単なる邪魔者としか映っていません。しかも、静岡市には県庁がありますから、ことさら煙たく感じるのでしょう」(静岡県職員)

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