金融商品取引法違反と会社法違反の容疑で起訴されていた日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が6日、東京地裁に保釈保証金10億円を納付し、東京拘置所から保釈された。
「ゴーン氏の弁護人は1月に2度、東京地裁に対して保釈請求をしましたが、いずれも却下。2月に“無罪請負人”の異名を持つ弘中惇一郎弁護士が率いる弁護団に交替し、今回弁護人サイドからゴーン氏の住居への監視カメラ設置などを条件につけることで改めて保釈を請求して、勝ち取ったのです」(刑事裁判に詳しい弁護士)
ゴーン氏は保釈後、自動車で都内の弁護士事務所に移動。その後は都内のホテルに移動し、宿泊したとされるが、そのホテルがどこなのか、一部では話題になっていた。
「東京・汐留にあるコンラッド東京です。最上階のスイートルームに滞在していたようです。ここに7日か8日まで滞在し、現在は都内の住居に移っていますが、ゴーン氏が逮捕前に住んでいた麻布のマンションとは別の住居です。8日には娘たちと外出する様子が報じられましたが、当初は昼間は弁護人の事務所にいることが保釈の条件とされたものの、その条件が解かれたため、日産関係者など利害関係者と会わない限りにおいては、買い物や食事など比較的自由に動けるようです」(新聞記者)
ゴーン氏の夫人と娘は現在、日本に滞在中であり、今後、都内でばったりゴーン氏一家を見かける機会もあるかもしれない。
ちなみに、このコンラッド東京だが、仮に家族3人で宿泊した場合、同ホテルのHPによれば、スイートルームだとサービス料込みで30万円を超えるプランもみられる。
「コンラッド東京はいわゆる超高級外資系ホテルで、宿泊客には外国人のビジネスマンが多いのが特徴です。高級感あふれるスパが有名で、チャイニーズレストランの『チャイナブルー』がミシュランで星を獲得していたりと、レストランの質が高いことでも知られています。ロビーフロアのラウンジは東京湾を一望できる絶景が売りで、窓際のシートでパソコンを膝に置いて仕事をしているビジネスマンの姿や、休日はデートをするカップルの姿などもよくみられます。
ただ、サービス自体は“おもてなし”というような手の行き届いたイメージではなく、外資系ホテル特有の客とやや距離を置く感じで、きめ細やかさという点でも、帝国ホテルやホテルオークラといった“御三家”などと比べると見劣りするというのが、業界内での評価です」(ホテル業界関係者)
暖房もない拘置所で100日以上を過ごしたゴーン氏。ゆっくりと体を休めて、これからの“戦い”に向けて英気を養ったに違いない。
(文=編集部)