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落雷の直撃受け「特殊能力」を持つ人が続出…強烈な電気的刺激で潜在能力呼び覚ましか

文=水守啓/サイエンスライター
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落雷の直撃受け「特殊能力」を持つ人が続出…強烈な電気的刺激で潜在能力呼び覚ましかの画像1「Gettyimages」より

落雷体験で人生を好転させた人もいる?

 我々は雷を恐れる。かつて「地震・雷・火事・おやじ」という言葉が使われたように、雷は地震に次いで恐ろしいものといえるのかもしれない。雷は、予測不能な自然現象であり、稲光に雷鳴を伴い、落ちると甚大な被害をもたらす。気配は感じられるものの、どこに落ちるかわからず、人々に不安を煽りがちである。

 落雷は火事をもたらすことが多いが、工場のように、落ち所が悪ければ、大規模な爆発事故をも生み出す。そして、人命も奪う。落雷時、電圧にして最大1億ボルトに及ぶ電気が一瞬で流れることを考えれば、深刻な事態に陥ることは想像にかたくない。日本では落雷を受けた人の70%ほどが命を落とすともいわれるが、例えば、アメリカでは逆に70~90%は生き延びているという。

 もちろん、生き延びた人がまったく無傷だったというケースは例外的で、体験者の多くに火傷のほか、記憶障害や脊髄損傷などの後遺症が残るといわれる。また、意外にも精神的なトラウマは大きく、高い確率で鬱が発症し、自殺者を多く生み出している。

「地震・雷・火事・おやじ」のなかで、もはや「おやじ」など怖くなく、「雷」もそれほど怖くないと感じる人もいるだろう。だが、雷に関しては、落雷の矛先が見えないだけでなく、あと作用として見えない側面が深刻化する可能性も考えれば、とても恐ろしい現象であることがわかるのではなかろうか。

 とはいえ、落雷を受けたことが生存者の人生を好転させたケースもある。フロリダ州セブリングのベティー・ガルバノさんは、ゴルフ選手だった故フィル・ガルバノ氏の妻で、かつてファッションモデルを務めていた。そんなベティーさんは1993年、防波堤から落下して右足を骨折した。手術が施され、長さ35センチもの金属棒が足に埋め込まれた。以来、歩くことはできたものの、痛みを伴い、ジャンプはおろか、足を持ち上げることも、片足で立つこともできず、足を引きずって歩かねばならなくなった。まるで自分の足は常にサンドバッグのようだったという。

 それが一変する出来事が起こった。1994年6月11日の午後、ベティーさんが息子の家のキッチンでブロッコリーを切っていた時だった。とてつもなく激しい雷鳴が聞こえた。次の瞬間、開いていた窓から稲妻が入り込み、手にしていたナイフとブロッコリーは吹き飛び、彼女はカウンターに崩れ落ちた。その時、1.2メートル離れた場所で座っていた夫は倒れた彼女をすぐにカウチに寝かせた。

 カウチで横になっていた間、ベティーさんは不自由な右足に奇妙な感覚を覚えた。まるで千本もの針が爪先と足に差し込まれたようだった。そして突然、彼女の足に生命力がみなぎったように感じられた。「私は立ち上がり、すべてが申し分ありませんでした。私は普通に歩くことができました」とベティーさんは振り返っている。痛みも消えていた。彼女には落雷体験で起こりがちな記憶障害のかけらも見られず、他の弊害に苦しむこともなかった。まさに落雷が奇跡的に足を癒したのである。そして、それは彼女の医師も確認したのだった。

 興味深いことに、落雷の瞬間、ベティーさんは霊的な目覚めを体験した。そこらじゅうに「金の粒子」を目にして、美しく平和的な感覚を覚えたという。そして、以下の言葉を残している。

「神は私たちを愛していて、価値ある唯一のものは愛です」
「稲光は私にとって霊的な体験でした。それが私に活力を与えて、心地良くさせてくれました」
「完全に神に浸かっていて、神は常に私とともにいます」
実のところ、このような霊的な目覚め、あるいは、少なくとも霊的なことに深く関心を抱くようになる落雷体験者は珍しくない。さらに、ある種の超能力すら開花させるようなケースも存在する。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)の紹介事例

 アメリカ海洋大気庁(NOAA)はウェブサイト上で落雷体験者の話を取り上げている。そのなかには、雷雨のなか、ピザを電話注文していたミッシーという女性が、電話線を通じて雷に打たれた事例があった。落雷の瞬間、彼女は大きな爆発音を聞き、明るく白い光が自分の足元に現れたことに気付いた。それはスパイクの付いたフットボールのような形だったという。
 
 ミッシーさんは爆発によって後ろに倒れ、しばし意識を失って床の上で動けなくなっていた。だが、まもなく奇妙なぼんやりとした感覚が体の片側を昇っていくのを感じた。彼女は病院の救急処置室に連れて行かれ、そこで医師らは彼女が雷に打たれたことを確認した。その事件の後、ミッシーさんは超感覚的知覚(ESP)を発現することになった。彼女が誰かの名前を口にすると、何年も音沙汰のなかったその人物が突然ドアを開けて入ってきたり、何か事件が発生する前に不気味な感覚を覚えるようになったりしたという。

 また、テネシー州ナッシュビルの看護師タイスさんの事例もあった。タイスさんは異なる時期に2度雷に打たれたことがある。最初は1985年5月、開いた窓のそばに椅子があり、そこに腰かけた患者から採血を行っていた時だった。突然、稲妻が窓から建物内に侵入し、彼女と患者を打ち付けたのだ。その事件は患者の妻によって目撃されており、オレンジ色の稲妻がタイスさんと患者の双方の身体を回転しながら通り抜けたと証言した。

 タイスさんは雷に打たれたものの、ほとんど何の怪我も負うことはなかった。事件の数カ月後、彼女は2つの奇妙なあと作用に気付いた。ひとつは、腕時計の時刻が10~20分進んでしまうことだった。当初、腕時計の買い替えで対応を考えていたが、数年経って、問題は腕時計にあったのではなく、自分にあったのだと気付いた。

 2つ目の奇妙なあと作用は、彼女のサイキック能力が開発されたことである。彼女がそれまでそんな能力に関心を抱いてきたことはなく、欲していたものでもなかった。彼女は一人で静かにしているのが好きで、他人のことなど知りたいとも思わないタイプだった。だが、落雷体験後、大して知りもしない人々のことについてなぜかわかってしまうことに気付いたのだった。

 そして、落雷体験から6~8年後の2回目は、感謝祭の週末に電話をしている際に起こった。その時以来、自宅の井戸ポンプに2回雷が落ちているとのことだった。
落雷を招きやすい立地条件も考えられようが、落雷を呼ぶ体質、あるいは、ひとたび落雷を体験すると再び落雷を呼びやすくなるといった傾向でもあるのだろうか。

雷が呼ぶ特別な力

 ドイツの民族学者で心理学者のホルガー・カルヴァイト博士によると、シャーマニズムの世界的な伝統においては、雷に打たれることがシャーマニズムの世界に加わるひとつの方法なのだという。そして「ギリシア人は、雷に打たれた人は魔力を持つと信じていましたし、世界中の民族文化においても、雷のシャーマンはしばしば最強のシャーマンとして敬われ畏れられてきました」とも語っている。

 北米ネイティブ・アメリカンのスー族においては、雷に打たれるかWakinyahと呼ばれる「雷の存在(サンダーバード)」のビジョンを見た者は、Heyokaと呼ばれる特別な呪術医(メディスンマン)として選ばれたことを意味する。Heyokaが通常の呪術医と異なるのは、すべてのことを逆に行うことにある。Heyokaはそのおどけた仕草が人々に笑いを呼ぶような聖なる道化師である。Heyokaに授けられた力はサンダーバードから引き出される。サンダーバードは巨大な鷲のような鳥の姿をした稲光と雷鳴の精霊である。稲光はそのくちばしから、雷鳴はその翼を羽ばたかせることから生み出される。それはまた降雨の任も負っているという。

 有名なスー族の戦士で聖者のブラック・エルク氏(1863-1950)はHeyokaの道に従った。9歳の時、彼はひどい病気にかかり、およそ12日間床に臥せた。その間、彼は雷の存在に訪問され、祖先に会いにつれて行かれるという偉大なビジョンを見た。そして、祖先は彼をシャーマンにさせる重要なレッスンを与えたのである。

 エルク氏は、「西の雷の存在のビジョンを見た者だけがHeyokaとして振る舞うことができる」と述べている。そして、「彼らは聖なる力を持っていて、そのいくらかをすべての人々と共有するが、それはおどけた仕草を通して行う」と言い、そんなおどけた仕草には、真冬に裸で走り回ったり、真夏に寒さに不平を漏らしながら震えたり、実際には「いいえ」を意図する際に「はい」と答えたり、前後逆に服や靴を身に着けることなどが含まれるとのことだった。

 霊的観点で、稲妻が神聖で強力である理由は、それが天に起源を持ち、雷に打たれて生き残ることは力強く神聖であることを示しているからだとされる。一方、雷に打たれて死ぬことは、何か運命に反することを行って罰せられることを意味するという。

 現代においては、雷に打たれることは単純に厄災であるが、実のところ、我々は古くから雷に打たれ、生き残った者には特別な力が授けられるという認識は広く知られていたと言えるだろう。その背景には何があるのだろうか。

電気的な刺激が潜在能力を引き出す?

 イリノイ州デレヴァンのグレタ・アレキサンダーさん(1932-1998)は、第5子を妊娠中だった1961年4月のある夜、ベッドに横たわって窓越しに雷雨を見つめていた。突然、窓から白い光がやってくると、次の瞬間には、ベネチアンブラインドが体に巻きつき、ベッドには燃えてできた穴が開いていたのに気付いた。稲妻は寝室の窓を壊し、煙突を倒し、ベッドに火を点けたが、彼女とお腹の中の子供には何の害ももたらさなかった。

 だが、その後まもなく、グレタさんは中古の冷蔵庫を間違ったコンセントに差し込み、感電に見舞われた。この日を境に彼女は変わった。超能力を開花させたのである。グレタさんは鳴りだす前に電話が来たことがわかり、他人の心を読むことができるようになった。そして、彼女は手相や数秘術を学び、プロのサイキックとして、リーディングを行うようになった。その能力は次第に注目されるようになり、1974年からは失踪者の捜索で警察を助けるまでに至った。

 有名なサイキックとなったグレタさんがもっともその能力を発揮した事例は、1983年にメアリー・コーセットさんがボーイフレンドのスタンリー・エドワード・ホリデー・ジュニアに殺害された事件だった。彼女が警察から協力を求められた時、実のところ、ホリデーはすでに殺人罪に問われていた。だが、コーセットさんの遺体が発見されていなかった。そこで、グレタさんが協力したことで、同年10月29日に遺体が発見されるに至ったのである。

 ドナルド・サンディッジ警部補は、「彼女はたくさんのことを教えてくれて、それらが事実であることが判明しました。およそ20点が一致しました」と述べている。例えば、「頭部と足は被害者の胴体と切り離されていて、手の不自由な男が彼女を発見する」というリーディングをグレタさんは行ったが、実際に遺体を発見したのは、過去に負った怪我で左手を変形させていた男であった。

 グレタさんの能力は反証が難しく、実際に警察の捜査に役立っていた。落雷またはその後の感電が彼女を変えたことだけは間違いなかった。だが、もちろん、本稿では彼女の能力が本物かどうかという点に焦点を当てているわけではない。注目すべきはその原因である。

 雷は彼女の変化には無関係で、その後に体験した感電が原因だった可能性もある。だが、感電は雷同様に瞬間的に高電圧に触れることである。つまり、強烈な電気的な刺激が重要な鍵となるのだろう。先に落雷体験者が時計を狂わせる例を紹介したが、実のところ、さまざまな電気機器を誤作動させるケースは珍しくない。しかも、一過性の現象とは限らず、落雷体験を契機に持続的に生じることがある。そのようなことを考えると、筆者の考えだが、落雷体験が人体の発する電磁気的な波動を長期に渡って変化させてしまう可能性が考えられるだろう。

 それは、まるでテレビやラジオのチャンネル(周波数)を変えるようなことに近い。我々は本来幅広い帯域で無数のチャンネル(さまざまな知覚力)を持っているにもかかわらず、普段は眠らせている状態にあり、強烈な電気的な刺激がその未開のチャンネルとつながる機会を生み出す(潜在能力を呼び覚ます)ということが稀に起こるのかもしれない。
(文=水守啓/サイエンスライター)

水守啓/サイエンスライター

水守啓/サイエンスライター

「自然との同調」を手掛かりに神秘現象の解明に取り組むナチュラリスト、サイエンスライター、リバース・スピーチ分析家。 現在は、千葉県房総半島の里山で農作業を通じて自然と触れ合う中、研究・執筆・講演活動等を行っている。

著書に『底なしの闇の[癌ビジネス]』(ヒカルランド)、『超不都合な科学的真実』、『超不都合な科学的真実 [長寿の謎/失われた古代文明]編』、『宇宙エネルギーがここに隠されていた』(徳間書店)、 『リバース・スピーチ』(学研プラス)、『聖蛙の使者KEROMIとの対話』、『世界を変えるNESARAの謎』(明窓出版)などがある。

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