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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

香港が危険地帯化、市民が大脱出…大規模デモに警察が過激な暴力、中国習近平指導部が屈服

文=相馬勝/ジャーナリスト
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 香港のデモは近年、平和的な雰囲気で行われていたが、このところデモ隊側が暴力的になっている。14年の雨傘運動では中国側が香港マフィアを雇って、わざと暴力事件を起こすように仕向けるなど、民主派勢力のイメージを悪化させる戦術も使われていた。今回も9日の大規模デモでは、香港警察本部や地域の警察署に火炎瓶が投げ込まれる事件が発生している。さらに、12日のデモでは警察は若者中心のデモ隊に対して、催涙ガス弾やゴム弾、警棒による暴力など容赦ない取り締まりを行った。

 市民の間では、香港はもはや安全な場所ではなくなっている。実は香港にはすでに30万人ものカナダ国籍をもつ市民が働いているが、「今回の騒動を契機に、高齢者を中心に数千人のカナダ国籍保有の市民が香港から脱出する動きを見せている」と香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は報じている。中国の政治的影響力が強まっていくにつれて、香港に嫌気をさして、脱出していく市民が今後急増し、中国大陸から移住した市民が多数派を占める事態が現実に起こりつつあるかもしれない。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

相馬勝/ジャーナリスト

相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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