また、山崎氏によれば、裁判関連以外にもさまざまな案件を扱っているという。
「事件というほどではないものも多いです。例えば、夫婦間や男女関係のもつれによる依頼も多いですね。DNA鑑定の依頼もそれなりにありますし、同ドラマの第1話で登場した痴漢の冤罪を調べるケースなどもあります」(同)
そのシーンとは、痴漢の冤罪に巻き込まれそうになった男性を主人公が指紋鑑定で助けるというものだが、山崎氏によれば、実話を元にしたシナリオだという。国内で高水準の指紋鑑定ソフトを有している民間研究所は極めて限られており、同研究所はその中の一つなのだ。
「保険関係の依頼も多いですね。火災や交通事故でも、保険会社は自殺の可能性があると保険金を支払わないケースがあります。そういった場合でも、自殺なのか事故なのかということを実験などを通して立証していきます」(同)
同研究所は、鑑定技術のプロフェッショナルで構成され、最先端の解析機器を備えていることからも、気になるのがその鑑定・調査料金だが、どれくらいなのだろうか。
「DNA検査は4万円から、高額なものでは事故解析などにおける高度な実験も含めると、数百万円になる場合もあります。平均では、30~50万円くらいです」(同)
こうした民間の鑑定機関は、いつ不慮の事故に巻き込まれるかわからない一般の人々にとって非常に心強い存在でもあり、冤罪防止にもつながる。
「以前は当社のような民間研究所の存在があまり認知されておらず、裁判で泣き寝入りせざるを得なかった方も多かったと思います。私たちは、そのような不幸がなくなるように技術を生かしていきたいと考えています」(同)
事故に巻き込まれた時には、こうした民間機関の活用も検討してみるとよいかもしれない。
(文=高橋大樹/デファクトコミュニケーションズ)