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●日本経済にとってチャンスか
与党・自民党としては、12年12月の総選挙で獲得した294議席から議席数を増やせるのか、もしくは減少をどれだけ最小限に食い止められるかがポイントとなってくる。獲得議席数は個々の選挙区で見ると複雑な事情があるが、総計だけをみると、直近の政党支持率と内閣支持率(政権党の場合。非政権党の場合には内閣不支持率)の合計、いわゆる「青木率」とかなり密接な関係がある。
青木率とは、青木幹雄・元自民党参院議員会長が提唱した「青木の法則」の指標だが、衆院議員定数が480になった00年以降の5回の総選挙と、その直近の自民党の青木率の関係から推測できることは、現時点で自民党の青木率は90%程度なので、仮に自民党が総選挙を行えば270議席程度を獲得できる公算が高い。青木率は時間の経過とともに低下する傾向がある。00年以降の歴代政権の青木率の推移を見ると、小泉政権と今回の第2次安倍政権を除き、発足当初に高かった支持率が1年程度で低下し、40~60%程度まで下がったところで退陣している。
今の状況をみても、9月の内閣改造で閣僚入りした小渕優子元経産相・松島みどり法務相両氏のダブル辞任後も、内閣は新たな火種を抱えている。今後さらにスキャンダルが発覚すれば、青木率は一気に下がる可能性もある。さらに今週末16日に投開票される沖縄知事選では自民が推す仲井眞弘多現知事は苦戦しており、消費増税による景気後退が持ち直さずに、来年4月の統一地方選で自民党は苦戦する可能性もある。
与党にとっては、解散するなら「今でしょ」という状況の中で、当然のように解散風が吹いてきた。消費増税による景気冷え込みに苦しむ日本経済にとっては、またとないチャンスである。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)
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