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ワーク・ライフ・ハピネス 第2回

倒産危機から町工場のヒーローへ タブー破りな経営で職人の意識改革、画期的発明続々

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー
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倒産危機から町工場のヒーローへ タブー破りな経営で職人の意識改革、画期的発明続々の画像1深海探査艇「江戸っ子1号」
 2メートルを超す人型ロボット6体が、金属音を鳴り響かせて殴り合い、火花を散らし、バラバラになりながらもトーナメント形式で戦う。アニメではなく現実に行われた競技だ。昨年12月2日に日本テレビ系列で放送された『ロボット日本一決定戦! リアルロボットバトル』で準優勝し、ひときわ話題となったロボットがある。その名も「風神」。

 巨体がまるで忍者のように素早く動き、的確なパンチを繰り出し必殺技も出す。アニメから飛び出したような「風神」の動きには、観客からも驚きの声が漏れていた。その「風神」をロボットクリエーターの網野梓氏とともに制作したのが、東京都墨田区にある町工場で金属加工メーカーの浜野製作所だ。(制作過程動画<無料動画共有サイト「YouTube」より>)

 浜野製作所は2009年、早稲田大学や墨田区の中小企業との産学連携で電気自動車「HOKUSAI」を作り、一躍話題になった。さらに、13年には海洋研究開発機構や中小企業、大学などと共同開発し、世界初の深海約7800メートルの3D動画撮影に成功した深海探査艇「江戸っ子1号」も実現させた。「江戸っ子1号」は、海洋立国推進功労者として内閣総理大臣賞を受賞した。

 浜野製作所は今や日本の中小企業、町工場のヒーローとして、テレビや新聞・雑誌でも取り上げられ、日本中から年間数百名の企業や大学の担当者が会社見学に訪れる存在だ。しかし、ここまで順風満帆だったわけではない。同社の二代目社長・浜野慶一氏が会社を引き継いだ時には、倒産寸前だったという。どうやって現在のような飛躍を可能にさせたのだろうか。

倒産危機から町工場のヒーローへ タブー破りな経営で職人の意識改革、画期的発明続々の画像2浜野製作所・代表取締役社長 浜野慶一氏

●町工場の概念覆す経営誕生のきっかけ

 東京スカイツリーを望む墨田区にある浜野製作所を訪れると、その外観に驚く。町工場とは思えない真っ赤な塗装をされた建物なのだ。さらに浜野社長をはじめ社員全員が赤のジャンパー、会議室も赤基調のデザインと、見た目から町工場の概念を覆している。       
 
「10年前にラーメン店に行った時、客が職人ばかりで店内がグレー一色だったのです。これに違和感を覚え、別の色を通信販売サイトで探してみたら赤の作業着を発見したので、早速注文しました」と浜野氏は笑う。

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