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闘うジャーナリスト・佐々木奎一がゆく! ワーキングクラスの被抑圧者たち 第28回

恐怖の警察学校、執拗な暴力&退職強要の実態発覚!4分の1が退職、ついに訴訟へ

文=佐々木奎一/ジャーナリスト
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 暴力も振るわれた。E指導員という、A氏より年下の半年早く警察学校に入っている高卒の人物がいる。各クラスに、約半年早く入校した高卒の生徒が「指導員」と称して配置され、大卒の半年後輩をしごくシステムになっていた。そのE指導員は、朝食時にいきなりA氏の喉元をつかんで壁に押しつけたり、泥酔して部屋に入ってきて、いきなり平手打ちをしたりしたという。

 こうして8月に入る頃には、C学級では5人が辞め、他のクラスもそれぞれ5~10人くらい辞めていったが、A氏は辞めずに残った。

 すると、8月6日、A氏は免職を言い渡された。

兵庫県を相手取り提訴

 その後、A氏は免職取り消しと700万円の損害賠償を求め、兵庫県を相手取って提訴し、現在、係争中である。警察側は、A氏の言い分を否定しているが、日誌という動かぬ証拠が実情を物語っている。

 なお、A氏は身長180cm近くあり、空手経験者でもある。

 そこでA氏への取材後、筆者はA氏が入校した13年度の、全国の警察学校の状況を調べた。すると、兵庫県警では入学者490人のうち、123人も辞めていた。退職率は実に25.1%で全国ワースト1位だった。

 兵庫県警の退職者の内訳を見ると、自己都合退職が122人で1人が免職。同年、全国の入校者は総勢1万1079人で、このうち1271人が退職。退職理由は自己都合退職が1267人、2人死亡、懲戒免職1人、免職は1人だけだった。要するに、A氏は唯一、退職強要の嵐の中で最後まで自分から辞めなかったのである。A氏は、「今でも警察学校で受けた仕打ちの夢を見る」と語っていたが、並大抵の人なら、何年も再起不能になっていたであろう。それほどA氏は強い精神力を持っている。そういう人間を辞めさせる警察学校の罪は重い。

 なお、全国の各警察学校の退職率を比較した結果、最も低かったのは、大分で1.1%。次いで宮崎2.2%、富山2.4%、皇宮2.6%、山梨2.9%、新潟3.1%、沖縄3.2%、山口3.4%、愛媛3.9%、島根4.4%、群馬5.0%、山形5.0%。

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