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生涯収支を出すには、まず普段の会計管理を整える必要がある。すべての預貯金額や自宅、株、保険などの財産から自宅ローン、借金、奨学金などのマイナス財産を差し引いた純資産を算出し、「財産目録」をつくる。次に、1カ月の収支を出し、12カ月分をかけて臨時収入を加えれば、大まかにせよ1年間の合計収支を算出できる。
「1年間の合計収入と合計支出が出たら、『老後にどんな生活をしたいか』を目安にして収入予測をします。その後『老後に何をしたいか』という考えで支出予測をしていきます。
上田さんの場合は、65歳までにもう1軒家を買うことでした。ローンが組めないので、キャッシュで買うには年間でいくら稼がなければいけないかなど、『イベント』にかかる費用を具体化していくと、70歳まで働いて年収200万円を維持する必要があることがわかりました。
このように、90歳までの収支を具体的に予測することで、長期間の収支を大づかみし、必要な備えを得られるのが、生涯収支を出すよさです」(飛田さん)
上田さんは、約1年間をかけて90歳までの生涯収支プランを作成し、大まかに計算した結果、104万円のマイナスがあることが判明した。このマイナス分を、これから調節していくという。
「時間はかかるのですが、不安だった部分が見えてきて、これまで自分がいかに漠然と働いてきたかを痛感しましたね。でも、プランによって老後の目標とやりたいことがはっきりしたので、働くモチベーションも上がりました。20代、30代など年齢にかかわらず、生涯収支の算出はとてもおすすめです」(上田さん)
上田さんの理想の老後は「心身ともに健康で、死ぬまで仕事をすること」だという。ずっと好きな仕事ができることこそ、自営業の最大のメリット。その未来を迎えるためには、さまざまな備えが必要なのだ。
(文=真島加代/清談社)
【参考文献】
『正しい家計管理』(WAVE出版/林總)
『正しい家計管理・長期プラン編 老後のお金』(WAVE出版/林總)
『マンガ 自営業の老後』 フリーランスが、死ぬまで幸せに生きるために、いま、できることのすべて みんなが苦手な年金や税金の話を超絶わかりやすく体感できる実用コミックエッセイ。老後貧困に陥らないために、そして、死ぬまで黒字でいるために何をすればいいのか。53歳 超ずぼらイラストレーターが、専門家と先輩の力を借りて、ギリギリセーフで老後の備えを始めます。
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