家具転倒防止&ブロック塀撤去…自治体の補助金活用マニュアル!高齢者には無料サービスも
またもや、痛ましい犠牲が出てしまった。6月18日に発生した大阪北部地震で、倒れてきたブロック塀の下敷きになり、高槻市の小学4年生の女児が亡くなった。同じく、民家のブロック塀の倒壊に巻き込まれた大阪市東淀川区の男性が死亡。ほかにも、倒れてきた家具に挟まるなどして2名の方が亡くなっている。心からご冥福をお祈りいたします。
災害が起きたとき、普段は自分を守ってくれるはずの家やその付属物が凶器になることがある。1995年に発生した阪神・淡路大震災では、数多くの家が倒壊した。国土交通省の「阪神・淡路大震災による建築物等に係る被害」によると、死者5502人のうち、「家屋、家具類等の倒壊による圧迫死と思われるもの」が約9割を占めていたという。
さらに、現在の耐震基準を満たしていない1981年以前に建築された建物の被害状況が大きかったとして、対策の必要性に触れている。1981年6月1日以降に建築された「新耐震基準」の建物より、同年5月31日以前に建てられた「旧耐震基準」の建物のほうが、耐震性はかなり劣る。そのため、自治体は主に1981年5月31日以前に建築された住居に対し、耐震診断や改修費用の補助を行っている。
筆者も地震が起きるたびにこうした制度を紹介してきたので、ここでは多くの文章は割かないが、我が家あるいは実家が旧耐震の建物に該当すると思われる場合は、自治体の制度を早めに確認し、ぜひ対策を取ってほしい。
ブロック塀の撤去等に助成金が出る自治体は多い
しかし、今回の大阪北部地震は阪神・淡路大震災とは様子が違った。先に書いたように、死亡した方は建物ではなく、ブロック塀や倒れてきた家具によって命を失っている。
この地震の後で自宅の近所を見て回ったが、道路との境に古いブロック塀を備えている一戸建てはかなりの数があった。特に、透かしブロック(模様の入ったブロック)を使っている塀は、内側に鉄筋が通っていない可能性があると聞くが、そういう仕様のものもかなり多い。国土交通省によると、倒壊の危険度を下げるために「ブロック塀には直径9mm以上の鉄筋が縦横とも80cm間隔以下で配筋されているべき」というのだが。
ブロック塀の倒壊は人の命を奪うだけでなく、崩れたブロックが道路をふさぐことで避難や救助活動に支障をきたす恐れもある。耐震基準を満たしていない古い塀は、地域全体の防災面から見ても対策が必要だ。そうした事情もあり、ブロック塀等撤去工事にかかる費用を助成してくれる自治体はけっこう多い。
建物の耐震改修には二の足を踏んでも、「ブロック塀なら」と前向きに考えられる人もいるだろう。また、倒壊の危険がある危険なブロック塀と知りつつ放置していた場合、もし他人に被害を与えたら損害賠償を求められるケースもあり得る。そうならないためにも、対策は急ぎたい。
たとえば東京都の場合、台東区では道路に面した高さ1.2mを超えるブロック塀等で安全性に支障があるものを撤去・改善する工事に対し、工事費の2分の1以内で15万円を限度に助成してくれる。台東区のホームページには、わかりやすいイラスト付きでブロック塀の安全性がチェックできる点検表が公開されているので、ぜひ参考にしよう。
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