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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

大手住宅メーカーの新築一戸建てが1千万円台!購入は来年3月までが狙い目!

文=山下和之/住宅ジャーナリスト
大手住宅メーカーの新築一戸建てが1千万円台!購入は来年3月までが狙い目!の画像1「Gettyimages」より

 2018年10月中旬、安倍晋三首相は来年10月からの消費税引き上げを正式に宣言、いよいよ増税に向けた動きが本格化しています。増税前の駆込み需要、増税後の反動減の抑制、平準化を図るための施策の検討が進められているのです。

 そんな動きに反するかのように、住宅業界では増税前の駆け込み需要を刈り取るための大手住宅メーカー系列の低価格商品が登場、大手品質の住まいを破格の予算で手に入れるチャンスが広がっています。

注文住宅の税率8%は来年3月末までが期限に

 消費税の税率は引き渡し日の税率が適用されますが、住宅については建築請負契約から引き渡しまでに一定の月日がかかることを考慮して、経過措置が適用されます。

 図表1をご覧ください。増税の施行日は2019年10月1日ですが、それ以前の同3月31日までに建築請負契約を締結していれば、引き渡しが同10月1日以降になっても税率は8%のままですむことになっているのです。ですから、注文住宅の建築を考えている人にとっては、実質的には来年の3月末が税率8%で建てられる期限ということになります。そこに向けて、年末から年始にかけて、住宅業界では駆け込み需要を狙った販売競争が激しくなるとみられています。

 そのなかで注目されているのが、経過措置期限に向けての価格引き下げ競争です。通常、価格引き下げ競争は中堅以下のメーカーが主役ですが、今回は大手メーカーも積極的に競争に参加しているので、大手品質の住まいを破格の値段で手に入れるチャンスかもしれません。

大手住宅メーカーの新築一戸建てが1千万円台!購入は来年3月までが狙い目!の画像2

大手メーカーの1棟単価の平均は3000万円台

 注文住宅の世界では、大手と中堅以下の価格には大きな格差があります。図表2でもわかるように、大手のなかでも三井ホーム住友林業は建築面積3.3平方メートル当たりの坪単価が90万円を超えています。トップの三井ホームは延床面積が比較的広いこともあって、1棟単価の平均が3954万円に達しているのです。その後、2017年度の決算によると三井ホームの1棟単価は4020万円と、ついに4000万円台に乗せました。

 三井ホームに次いで住友林業も坪単価90万円台で、以下、積水ハウス、ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)などは80万円台になっています。1棟単価をみてもミサワホームの2712万円を除いて、すべて3000万円台です。

 それに対して、タマホームを中心とする中堅の注文住宅は、大手の半値以下の予算をセールスポイントにしています。本体だけだと坪50万円以下は当たり前で、1棟の平均価格も1000万円台から2000万円前後が主力になっています。

 消費税増税前の経過措置期限に合わせて、中堅以下のメーカーはこの安さを前面に打ち出して一斉に販売攻勢をかけてくることになりますが、大手メーカーとしてもそれを指をくわえてみているわけにはいきません。

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