秋から冬へと移り変わるこの時期。寒くなったと思ったら翌日は暖かかったりしますから、体調管理には気をつかいますよね。
特に、「雨が降る前は偏頭痛とめまいがひどい」「湿度が高い日は古傷の腰が痛む」というように、天気によって体の不調が出る人は、つらい思いをしているのではないでしょうか?
どんなに体調に気を配っても、天気次第で体の調子が悪くなってしまってはたまりません。
こうした天気による体の不調を「天気痛」といいます。天気が原因となると、対処の仕様がないように思いますが、改善したり、上手に付き合っていく方法はあります。『天気痛を治せば、頭痛、めまい、ストレスがなくなる!』(扶桑社/刊)の著者で「天気痛」を専門に外来を行っている医学博士の佐藤純さんは、辛い天気痛を克服する秘訣としてこんなことを教えてくれます。
■傾向がわかれば対策を立てられる
まず、自分が「天気痛」持ちかもしれないと思ったら、「どんな時に、どんな体の不調が出るか」を日記に記録してみましょう。というのも、「天気痛」は痛みの度合いも、場所も、タイミングも一人ひとり違います。「雨が降る3時間前から頭が痛みだす」人もいれば、「1日前から気持ちが落ち込む」という人もいます。だからこそ、薬を飲んだり、生活習慣を見直すなど適切な対策を取るために、「自分の傾向」を知って痛みを客観視することが必要なのです。
■「天気痛」には「酔い止め」が効果あり?
自分の「天気痛」の傾向を把握して「あ、来るかも」と思ったら、薬を飲んで予防することも可能です。佐藤さんがこうした人に向けて処方しているのは「めまいの薬」だと言います。
というのも、「天気痛」には、「耳」が大きくかかわっていると考えられているからです。
耳の奥にある「内耳」は体の平衡感覚をつかさどっていますが、この内耳に気圧のセンサーがあり、低気圧を感じ取ると交感神経が活発になりすぎて古傷が痛み出したり、自律神経が混乱して天気痛の症状があらわれるのではないかと、佐藤さんは考えています。「めまいの薬」は内耳に作用するので、効果があるという理論です。
さらに、「グラグラとして気持ちが悪い」「酔ったように頭が重い」というような天気痛の代表的な症状は、乗り物酔いに酷似しています。そこで、同じく内耳に働きかける「市販の酔い止め薬」を飲んでも、効果があったという患者さんが多くいるようです。一定の効果があるのではと考えられます。ただ、個人差の大きい天気痛だけに、薬の効き方も人によってバラバラなのだとか。普段服用している薬との兼ね合いもありますから、まずは医師に症状を伝えて、処方されたものを飲むようにしましょう。
自律神経の乱れに原因がある以上、天気痛を軽減させるためには薬を頼りすぎるのではなく、普段の習慣や生活スタイルを整えることも考えに入れることが第一です。
本書には、医師の立場から有効な対策と取り組みが解説されています。天気による体調不良に悩まされている人の助けになってくれるはずです。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。