手軽に始められて、素人でも利益を出せる副業として一時期人気を博した「Amazon転売・せどり」。
しかしこのビジネス、Amazonが昨年定めた規約によってやりにくくなっている現状をご存じだろうか?正規販売店と同等の保証がないと「新品」として販売できないとするこの規約によって、転売・せどりはまちがいなく「稼げなく」なる。
では、もうAmazonを使った個人ビジネスはもう会社員の手軽な副業にはなりえないのだろうか?『Amazon国内メーカー直取引完全ガイド (せどり、転売はもう古い! 初めてでも、個人でもできる)』(standards刊)で、転売やせどりとは違う方法でのAmazonを利用した物販ビジネスを提唱している中村裕紀さんにお話をうかがった。
(インタビュー前編を読む ※外部「新刊JP」サイト)
メーカーと直取引する新しいAmazonビジネス 利益を出すポイントは?
――この方法で利益を出すために「やるべきこと」と「やってはいけないこと」について教えていただきたいです。
中村:やるべきことは、まずは本に書いている3つの基準を満たしたメーカーに根気強くメールを送り続けることです。
ただ、たとえば1000件メールを頑張って送っても、初回のメール返信率が2割以下で、見積りをもらう確率も累計メール数に対して5%以下で、仕入れに至るメーカー数も0とかだと全然ダメです。
まずは少なくてもいいので1日10社、1カ月に300社メールを送って、初回の返信率は最低でも3割以上、メーカーさんから見積もりをもらう確率は最低でも累計メール数に対して5%以上、仕入れに至る割合は、返信がないところも含め30~50社メールを送って1社仕入れに至れると良いでしょう、経験するごとに精度は高まりますし、30~50社メールというと驚くかもですが、1社ずつ積み上がれば利益が大きくなりますし、メールを送るのは最初は時間が掛かるかもですが次第に慣れてきますので。
上記のように数字が安定してきて1000社メールを送ると、結果も3倍になったりと逆算して作業できるので、モチベーションアップにも繋がります。
やってはいけないことは、メール「だけ」に集中してしまうことだと思いますね。メールをたくさんのメーカーに送ったぶん、取引できる会社は増えるわけですが、それは一連の流れのうちの一部なので。
メールを送って、取引が成約して、利益が出るか計算して、商品を買ってamazonの倉庫に納品して販売開始するまでが大事です、でなければ売上が立たないので。
――直取引で初心者がやりがちな失敗や気をつけるべきことについて教えていただければと思います。
中村:最初のうちは「商品を仕入れ過ぎてしまう」とか「利益の出ないものを仕入れてしまった」などですかね……。
この本で書いた仕入判断に適うものを仕入れるわけですが、メーカー側に「ロット」があったりするんですよ。つまり「これだけの量や金額を買ってくれないと取引しません」というものです。
そういう時は「モノゾン」などのツールで算出された「売れている個数」の数字をあてにせずに、定点観測して月に何個売れているかを正確に把握することが大切なのですが、メーカーから言われるがままに、そのロット分を仕入れてしまう人もいるんです。そこはしっかりと交渉すべきですね、でなければ在庫に資金が圧迫されて次の商品を買えませんので。
初回は少量にしてくれないか、とか、売れたら仕入れを増やしますので今回はこれでお願いしますとか、交渉の余地はあるので、勢いで仕入れないようにしていただきたいです。
あとは、Amazonって販売価格が落ちやすいプラットフォームではあるので、メーカー側がいいイメージを持っていないケースもあります。はじめにメールした時にそのあたりを突っ込まれることがあって、心が折れてしまう人もいるのですが、そこは根気強くやっていくのが大切です。Amazonは嫌いでも、売ってくれる人のことは信用して取引してくれることはあるので。
また継続したメールを送ることで、Amazonだけの販売でも取引できるメーカーは必ず存在します。
――Amazonへのアカウント登録から配送周り、売り上げ管理までかなり細かくノウハウを紹介されています。目安として一連の業務にどれくらい時間がかかるかを教えていただきたいです。
中村:仕入れた商品をAmazonの倉庫に発送する納品作業はFBA納品代行業者を使ったり、メーカーへのメール送信作業なども、ランサーズなどで日中にメールする方を雇ったりと外注化できる部分は多いので、時間がない人はそういったところを大いに活用していただきたいです。
自分でやらなければいけないのは基準を満たしたメーカーを探して、自分でできるならメールして、取引を成約させて、利益が出るか出ないかのところまで確認して商品を買うことだけなので、1日2~3時間継続してできれば結果はついてくると思います。一応僕のコンサルを受けてくれている方々には、3カ月で月利10万円、半年で月利30万~60万を達成できれば、1年で月利100万円を達成することは可能です、という目安をお伝えしています。
お金周りについてアドバイスをすると、利益を増やしていく過程で融資は絶対に必要になるかと思います。よくネット販売の本には「資金がなくても稼げる」といったことが書かれていますが、物販をする限りそんなことはまずないというのは覚えておいていただきたいですね。
――最後になりますが、これまでAmazonで個人取引をやってきたものの利益が出ていない人や、これから直取引をはじめてみたいという人にメッセージをお願いいたします。
中村:僕も以前は会社員をやっていて、副業として物販ビジネスを始めました。副業を始めた時はネットワークビジネスをやったりアフィリエイトをやったり色々手を出したのですが、ネットワークビジネスでは友達を失いましたし、アフィリエイトは初心者が簡単に稼げるようなものではありませんでした。
その点、物販は自分の責任内でできて、一人でもできる、昔からあるシンプルなモデルです。特にこの本で書いている方法は特別な才能がなくても、地道にコツコツやることで利益が積みあがっていくやり方で、まじめな人ほど続けられると思うので、ぜひ始めてみていただきたいです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。