リーダーになったとき、つい自分でやったほうが早いからといって部下に仕事を任せることができなかったり、リーダーとしてチームをまとめられるか不安になったり、リーダーとしての悩みを持つことは多いはず。では、リーダーとして、どのように行動することが、成果につながるのだろうか。
『部下を動かし、成果を上げる! リーダーになったら必ず読む「任せ方」の教科書』(古川裕倫/著、SBクリエイティブ/刊)では、若手リーダーや新任マネージャーが部下に仕事を任せるために必要な心構えからテクニックまで、必要なポイントを紹介する。
リーダーの役目のひとつは、チームの士気を上げることだ。
たとえば、リーダーの表情が職場の士気を左右することにもなる。リーダーが明るく笑顔でいることは、そのままストレートに職場にとってプラスとなる。リーダーが難しい顔をしていれば、部下が話しづらくなり、コミュニケーション不足に陥るリスクも高まる。なので、リーダーには、嫌なことがあってもニコニコしていることが求められるだろう。自然に笑顔が出るならそれが一番だが、にこやかにするのが苦手な人もいる。そういう人は、意識的に表情を作ってでも笑顔を出したほうがいい。笑顔は職場を明るくし、人の心を動かすからだ。また、笑顔でいると自分の考え方も楽しく前向きになり、いずれは自然に良い笑顔が出せるようにもなるだろう。
もうひとつは、部下の話を聞くこと。これはリーダーシップのスタートと言ってもいい。部下の話をしっかりと聞ける人は、部下から信頼される。そうなると、高いコミュニケーション能力が必要なのでは…となるが、コミュニケーションスキルが高い人は必ずしも話がうまいわけではない。どちらかといえば、リーダーにとって重要なのは人の話を聞き、引き出す力だ。なので、リーダーが部下と話すときは、できるだけ聞き役に徹すること。このとき、「聞く」ではなく「聴く」ことを意識するのがポイントだと著者は言う。前者は普通に聞くことを、後者はじっくり耳を傾けることを意味する。また、部下との会話では「話すのは2割、聴くのは8割」を心がけておくと、5割ぐらい聴くことになる。いろいろと意見を言いたくなるところをぐっとこらえなければいけない。
話の切れ目では、意思を確認する質問をしたり、話をまとめたりすると、部下は「話をきちんと聴いてもらえた」という手応えを感じることができる。
部下に仕事を任せることも、職場の雰囲気を良くするために笑顔でいることも、リーダーとして我慢や努力が必要。仕事の成果を上げるには、部下の人間的な成長も不可欠だ。つまり、自分で考えて行動できる人を育てることができるか、ということが重要なことなのだろう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。