あなたは「雑談」は得意ですか?
友達とのおしゃべりと違って、そこまで仲が良いわけではない相手と、当たり障りのない会話で距離を縮める。正直気を使うし、何を話したらいいか分からない。
そんな苦手意識を持っている方も少なくないのではないはず。
しかし、自分にはコミュニケーション能力がないかもしれないと落ち込む必要はありません。作家で心理カウンセラーの五百田達成さんは、そもそも雑談は難しくて当たり前なのだといいます。
五百田さんの著書『超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)によれば、たいていの人は
(1)友達や仲のいい人との、気を使わない、楽しいおしゃべり
(2)仕事の場面で、きちんと話す、大人としての会話
このふたつぐらいしか、話し方のバリエーションを持っていないのだそうです。
しかし、雑談とはそのどちらでもない「第3の会話」といえます。
経験がなくて難しいことなのに、「雑談なんて簡単だよ」と適当にやってしまうと、イマイチ盛り上がらない結果になってしまうのです。
■WHYで返すと雑談は「盛り下がる」
本書は雑談で微妙な空気にならないためのコツを、NG例、OK例をあげて具体的に教えてくれる一冊。
たとえば雑談では、相手が答えやすい質問をすることが大切です。例として、以下のようなやりとりをしたことはないでしょうか。
A「うっかり電車の中で寝過ごして終点まで行っちゃったんですよ」
B「どうして寝過ごしたんですか?」
A「え? ああ、えーっと…ちょっと飲み過ぎたからですかね」
B「なぜ、そんなに飲んだんですか?」
明らかに盛り上がっていない会話ですよね。Bさんに悪気はないのですが、五百田さんによれば「なぜ(WHY)?」の質問をしたことに問題があるそう。
話の途中で「なぜ?」と質問すると、相手は「なぜだろう?」と理由を考えてしまうため、気持ちがすっと冷めてしまいます。会話が止められて、本当に話したいことを話せないのもストレスです。
今回の会話の例なら、そもそも理由がなくても寝過ごしたり飲みすぎたりすることはあるので、「なぜ」というのはとても答えに困る質問です。
また「理由を尋ねる」という行為はそれだけで少し批判的に聞こえてしまうのだとか。
何も悪い事をしていなくても、「あれ? なにかまずかったかな」と考えてしまうと、話していて気持ちよくありません。
このような場合は、「なぜ(WHY)?」ではなく「どう(HOW)?」と状況や気持ちを尋ねる質問をすると良いそうです。
具体的には「一度も起きなかったの?」「目が覚めたとき、びっくりしなかった?」などです。相手が答えやすい質問をすることで会話は広がり、雑談はもっと楽になります。
天気の話をしない、おもしろい話をしようとしないなど、雑談の意外なコツを本書から学んでみてはいかがでしょう。
(ハチマル/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。