断り方や褒め方など、言葉づかいで相手に与える印象は変わるもの。そうはわかっていても、自分が相手や場にふさわしい言葉づかいが出来ているだろうかと考えると、はなはだ自信がない、という人の方が多いのではないだろうか。
■人間関係を悪くしない「断り方」とは
言葉のつかい方で、知性や仕事がデキるかなどを判断されているならば、「大人の言い方」、つまりデキる人の言い方に改めてしまえばいい。
『見るだけで語彙力アップ! 大人の「モノの言い方」ノート』(総合法令出版刊)はそんな一冊。コンサルタントとして大手企業の人材育成や職場のコミュニケーション活性化支援をライフワークとしている佐藤幸一氏が、公の場で役立つ大人の「言い方」をシチュエーション別に紹介する。
たとえば、何かを断る時の言葉のつかい方は難しい。変な断り方では角が立ち、後々の関係が悪化する場合もある。とはいえ、断れずに押し切られてしまうのも問題だ。そんな時に、スマートな大人の断り方をいくつか挙げていきたい。
・やんわり断りたい場合の言い回し
「お断りします」では、直接的すぎるので、相手に敬意と謝意を表すように「せっかくですが、お気持ちだけありがたく頂戴します」と丁寧に断る。
また、「遠慮しときます」と言うなら「ご」を付けて「ご遠慮させていただきます」と言う。「遠慮」という言葉は、相手の気持ちを配慮した表現なので、断るときに使うようにしたい。
「難しいです」は簡単に断っているような印象を与えてしまうので、注意が必要だ。そこに「上司に掛け合ったのですが…」という一言を添えれば、一手間加えて努力した姿勢を相手に見せることができる。
・飲み会やお酒をやんわり断りたい場合
飲み会の誘いを断るときは「忙しいので無理です」と答えるのではなく、「仕事が終わらなくて…」と、本当は行きたいことを匂わせながら、また誘ってもらえるような言い方にするといい。
飲み会の席で無理にお酒を勧められたとき、「飲めません」と断るだけではまた勧められるかもしれない。「お酒を飲むと体調が悪くなり、迷惑をかけてしまうので…」と、体調が悪くなると言えば、無理に勧められることはない。
相手の頼みや誘いを断ることは、勇気のいることでもあるだろう。相手への誠意を持って、丁寧にやんわりと断る言い方を身につけておきたい。
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本書を読むと、日本語表現の豊かさにも気づくはず。楽しみながら語彙力アップし、大人のモノの言い方を身につけてみてはどうだろう。周囲の人からの評価も上がり、デキる大人になることができるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。