仕事ができる人ほど、自分だけの頭と時間を使ってできることは限られていることを理解して、うまく周りの人を使っているもの。
その意味では「自力思考」から「他人思考」に仕事のやり方を切り替えて、嫌いなことや苦手なことを人に任せることで、最小限の努力と時間で成果を出すことが、仕事ができる人の要件だといっていい。
■他人の力で成功するための7つのポイント
ただ、プレーヤーとして優秀な人ほど仕事の「手離れ」が悪く、他人に任せられない傾向があるというのも事実。『最速で10倍の結果を出す他力思考』(小林正弥著、プレジデント社刊)はそんな人のために、自分以外の人の時間を使い、最小の努力で、最速かつ圧倒的な結果を出す他力思考の方法を紹介する。
「1馬力で結果を出そうとする」のではなく、「100人力を使って結果を出す」というのが他力思考の目標である、と著者の小林氏は述べる。では、具体的に人の力と時間を借りるにはどうしたらいいのか。
人の思考を使うには以下の7つのポイントがある。
1.人の頭を使う
2.人の時間を使う
3.人のお金を使う
4.人の手足を使う
5.人のエネルギーを使う
6.人の人脈を使う
7.人のモノを使う
たとえば、「人の頭を使う」は、インターネット上の知識の収集も含む。だから「検索力」は必要だ。
もう一つ、周りの人の頭を使うポイントになるのが「質問力」。相手の中にあるものをアウトプットしてもらうためには、「何を聞くか」は大きな要素だ。
他力思考と言っても、いつも一方的に知恵を貸してもらえるものではない。人間関係は貸し借りでできているからだ。相手の期待値を予測して、それ以上のものを返すようにしなければならない。
たとえば、顧客を連れてくること。
どんなビジネスでも集客は重要だ。このジャンルで何か相手にアドバイスをすることができれば、自分に知恵を貸してくれる「手土産」としては十分だろう。
また、自分の興味のあるテーマでYouTubeやブログを始めてみるのはどうか。一定の読者を集めることができれば、それが経済価値になり、知恵を借りる相手へ交換できるものとなる。また、自分の知識が高くなり人脈が広がることで自分自身の市場価値が高くなると、知恵を借りる相手との交換もラクになり、欲しい知識や情報が手に入りやすくなる。
もう一つ大切なことは、力を貸してもらった相手の教えを実行したらそれを報告し、フィードバックしてもらうことだ。
成功した人の多くは、自分の知恵を分かち合いたいと思っていて、教えた相手の役に立つことを喜びと感じるもの。だから、実践して報告することを忘れないようにしなければいけない。
他力思考で大切なことは、自分はひとりで生きているわけではないことを自覚すること。そして、他者への感謝と尊敬の念を忘れないこと。
効率良く、最高の成果を出すためにも、自力で頑張るのではなく、他力思考を実践してみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。