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夢屋まさるは一発屋芸人で終わるのか?「パンケーキ食べたい♪」高学歴芸人ブレイクのカギ

文=藤原三星
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2019年11月に宝島社より発売された夢屋まさるのフォトエッセイ本『パンケーキ食べたいの人です。本当はもなか食べたい。』

 もはや元日深夜の風物詩的存在となった『ぐるナイ!新春おもしろ荘』(日本テレビ系)。これまで、小島よしお、横澤夏子、あばれる君、日本エレキテル連合、おかずクラブ、ブルゾンちえみらが無名時代に出演し、この番組を契機に大ブレイクを果たしてきた。業界人からの注目度もダントツで高く、若手芸人ならばまずはこの番組の出演することがブレイクへの近道だといわれるほどだ。

 そんな新人の登竜門的番組で2019年に大ブレイクしたのが、夢屋まさるである。ジェンダーレス男子の風貌で、きゃりーぱみゅぱみゅのシングル「原宿いやほい」に乗せて「パンケーキ食べたい パンケーキ食べたい」と踊りながら歌うこの若手芸人は、昨年元旦の『おもしろ荘』出演をきっかけに露出を爆破的に増やしたが、同年後半になると急速にトーンダウン。“一発屋芸人”としてこのまま終わってしまうのか?

 芸人事情に詳しいある放送作家は次のように語る。

「夢屋くんの現状はかなり厳しいでしょうね。昨年末に出したエッセー本もたいして話題にならず、ネタが『パンケーキ』しかないため、キャラ変を含めて抜本的に戦略を考えないと、このまま一発屋芸人になるのは目に見えています。

 ただし、夢屋くんが所属するサンミュージックは一発屋芸人の宝庫。ダンディ坂野、スギちゃん、小島よしお、髭男爵がその代表的存在ですが、一発屋芸人の宝庫だからこそ、一発屋のマネジメントに長けているという面も。たとえばダンディさんもスギちゃんも実は地方の営業やCMではいまだに稼いでいますし、髭男爵の山田ルイ53世は作家業に進出、小島よしおも子ども向けのイベントなどで大人気。つまりサンミュージックは、一発屋芸人のセカンドキャリアをしっかりマネジメントできる事務所として定評があります。夢屋くんもここで終わりというより、一発屋芸人としての始まりを迎えるのではないでしょうか」

要注目株のぺこぱ

 2020年元旦の『おもしろ荘』では、結成6年のコンビであるエイトブリッジが優勝。くりぃむしちゅー有田の運転手をやっている別府ちゃんのおバカキャラが爆笑をかっさらった。

「今回優勝したエイトブリッジは、今後かなり露出を増やすでしょうね。彼らが所属するナチュラルエイトはくりぃむしちゅーやマツコ・デラックスしか売れっ子がいないため、事務所としても推しやすい。くりぃむとマツコさんは冠番組をいくつも持っていますから、『おもしろ荘』優勝者の名刺さえあればいろんな番組に仕込むことも簡単です。また、夢屋くんが出場したときに優勝したぺこぱは昨年末のM-1でも3位。彼らは現在サンミュージック所属になったため、事務所としては夢屋くんよりぺこぱを推していくでしょうね。

『おもしろ荘』のオーディションには毎年1000組ほどの若手が挑戦し、ディレクターや放送作家は各事務所の若手のネタをほぼ全部観るといっても過言ではないほど時間をかけてオーディションをします。なので、『おもしろ荘』本編に出演できるだけでもすごい倍率なので、夢屋くんもまだまだポテンシャルを秘めた存在だということができます」(前出の放送作家)

高学歴芸人としておのれを磨けるかがカギ

 現在は慶應義塾大学経済学部に在学中であり、高学歴芸人としての横顔も持つ夢屋まさる。あるテレビ局のプロデューサーは、「夢屋くんのタレント性は抜群」と太鼓判を押す。

「今は芸人の入れ替わりが激しいので、夢屋くんをキャスティングするのはどうしても古く映ってしまう。でも、もともとは高学歴で経営や投資にも明るいため、タレントとしての伸びしろはまだまだあると思います。

 同志社大学出身の高学歴芸人であるカズレーザーは、漫才師としてM-1でブレイクしてからクイズ番組でさらなるブレイクを果たしました。今のバラエティ界における東大ブームはまだ続くでしょうから、クイズができる高学歴芸人はかなり重宝されます。事務所の先輩であるカズレーザーとはクイズ飲みをする間柄だそうですから、彼からクイズ番組の奥義を学べるということはかなり優位に立てると思いますね。ただ、カズレーザーにしてもロザンの宇治原(史規)にしても、クイズ番組で結果を残している高学歴芸人は、普段からクイズの勉強をめちゃめちゃしてます。その努力を彼が惜しまずできるのかが、次なるブレイクの分かれ目でしょうね。

 夢屋くんは実際に話すと頭がいいというのはすぐわかるし、ビジュアルもいいので芸人にこだわらなくてもタレント性は高い。彼は『パンケーキ』では終わらないと思いますよ」

 大ブレイクから1年、昨今は燻った感もある夢屋まさる。彼がその秘められたポテンシャルをいつ爆発させるのか、今後も注目していきたい。
(文=藤原三星)

藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。

Twitter:@samsungfujiwara

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