老後のために、そしていざという時の副収入のために、資産運用は不可欠な手段。
なかでも代表格であり王道といえるのが「不動産投資」だ。
ただ、不動産投資は物件購入時のローン返済や経費、税金など「出ていくお金」も多額。賢くやらないと「あれこれ手をかけたのに手元に全然お金が残らない」という残念なケースになることもある。
こんな事態を避けるために、注意すべきこと、取るべき対策とはどんなものだろうか?
■個人で不動産投資を行うと最大6割が税金で消える
『図解 プライベートカンパニーを活用して、不動産投資をしよう!』(成田仁監修/クロスメディア・パブリッシング刊)によると、収益を得るための不動産投資は大前提として「個人でなく法人でやるべき」だという。
その最大の理由は税制の違いにある。
個人で不動産投資を行った場合、最高(課税所得4,000万円以上)で実に約60%もの税金がかかる(所得税45%・住民税10%・個人事業税5%)。
本業でいくら稼いで、不動産投資でいくら安定して収益を出しても、これでは税金を多く納めるためにがんばっているようなものだ。
ところが、法人を立ち上げ、会社として不動産投資を行うと、課せられる税金はかなり違ってくる。
サラリーマン投資家の多くが該当すると思われる「資本金1億円以下・所得800万円以下」だと、法人税率は多くても27.57%、所得800万円を超えた場合でも33.59%である。
不動産投資は個人でやるのと法人化してやるのでは、出てゆく税金の額がまったく変わってくるのだ。
■「経費が貯蓄」になる法人化のメリット
法人化のメリットはこれだけではない。
・家族を従業員として給料を払うことで所得を分散させることで、所得税の実効税率を下げることができる。
・支払った給与は経費計上でき、給与を受け取る側も給与所得控除を受けられる。
・自分に退職金を出すことができる(その分は経費として認められる)。
・共済の掛け金が全額経費として認められる(実質的に経費が貯蓄になる)。
このように、不動産投資を法人化して行うことで、かかる税率を軽減したり、課税所得自体を減らす方策をフルに活用することができる。