株式会社を設立するのに最低1000万円の資本金が必要だった頃に比べると、今は起業へのハードルはかなり低くなっている。
だから「いつかは自分も起業を」と考える人の数は、ひと世代前と比べるとかなり増えているはず。子育てを終えて時間のできた主婦や学生、定年退職したビジネスパーソン、副収入を得る道を探している人なども、アイデアと熱意、そして一歩踏み出す勇気があれば、自分でビジネス興して、収入を得ていくことは可能だ。
■起業っていくらかかるの? ざっくり計算してみよう
『ネコ先生がやさしく教える 起業のやり方』 (中野裕哲著、明日香出版社刊)は、起業に興味を持ち始めた人や、起業の世界をのぞいてみたい人に向けて、どうすれば起業ができるのか、どんな準備をすればいいのかを丁寧に解説する一冊。
たとえば、起業で欠かせないのが「お金」の話だ。個人で小規模に起業をするにしても、何かモノを売るなら仕入れ代金が必要だし、オフィスを借りるなら家賃が発生する。なんだかんだ、それなりに元手は必要になる。
もし「やってみたい」と思っている起業のアイデアがあるのなら、まずはざっくりと
設備資金(パソコン、オフィスの敷金、WEBサイト制作費など)+運転資金(家賃や人件費など毎月必要なお金や、仕入れ資金、従業員の給料など)×3カ月
で起業に必要な資金を計算してみよう。だいたいの金額がわかったら、そのお金をどう集めるかという話になる。
■貯金だけじゃ足りない! そんな時は…
起業に必要なお金を自己資金ですべてまかなえるならまったく問題はない。
ちなみに自己資金とは貯金だけではなく
・退職金
・生命保険の解約返戻金
・株式や投資信託の売却代金
・車や不動産の売却代金
・両親から贈与されたお金
なども含まれる。
ただ、これらを合わせてもまだ必要な金額にとどかないというケースもあるはず。そんな時には銀行から融資を受けることになる。
「融資を受けられるなら全部融資してもらえばいいじゃないか」と考える人もいるかもしれないが、融資の額は自己資金をどれだけ準備したかで決まる。本書によると、自分の起業で必要となる金額の半分から3分の1は自己資金として準備する必要があるという。
本書では、資金繰りから集客、リスク回避の手法まで、起業で必要とされる知識と情報が網羅的かつシンプルに解説されている。
興味はあるものの「自分にはムリ」と尻込みしてしまいがちな起業だが、準備さえしっかりしておけば決して難しくない。一読してみると、起業は夢物語ではなく人生の一つの選択肢として現実味をもって感じられ、「こんな生き方もありかも」と世界が広がるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。