現在、バラエティー番組で大活躍中の“みちょぱ”こと池田美優。“にこるん”こと藤田ニコルや“ゆきぽよ”こと木村有希らとともに、ひな壇での“ギャル枠”の争奪戦を繰り広げているが、業界内では「みちょぱが頭ひとつ抜きん出ている」との評価も多いという。
「みちょぱにもにこるんにもゆきぽよにも十分にトーク力はあるし、バラエティーで空気を読む力もあるんですが、なかでも“おじさんウケ”がいいのがみちょぱなんですよ。メロメロになっている共演者のおじさんたちも多いですね」(テレビ局関係者)
共演者たちをイチコロにした結果、2020年4月にはテレビ朝日系『アメトーーク!』において「みちょぱスゴイぞ芸人」が放送。芸人たちが、みちょぱのバラエティータレントとしての高いスキルを1時間にわたって称賛したのだ。
同番組では、ロッチの中岡創一がみちょぱのレギュラーラジオ番組『#みちょパラ』(ニッポン放送、毎週日曜23時)を絶賛する一幕もあった。エンタメ事情に詳しいフリーライターの大塚ナギサ氏はこう話す。
「『#みちょパラ』は、もともとはみちょぱさんと同世代の若い女性をターゲットにした番組だったようですが、実際にはみちょぱさんよりも上の世代の男性リスナーがすごく多い。まさにみちょぱさんの“おじさんウケ”の良さを象徴するかのような番組だと思います」
『#みちょパラ』は、みちょぱによる30分のひとりトーク番組。オープニングで近況を報告し、リスナーからの“普通のお便り”を読み、さらにいくつかのネタコーナーもある。ラジオ番組としては、かなりオーソドックスなスタイルだといえよう。
90年代ノリ濃厚なみちょぱラジオ
ネタコーナーの代表的なものは、みちょぱが嫌っている安田大サーカスのクロちゃんと何かを比べて、“どちらがマシか”をみちょぱが判定する「究極のクロ択」、テレビ東京の佐久間宣行プロデューサーが悩んでいるであろうことを募集する「佐久間宣行の悩み」、みちょぱの地元である東京都赤羽のあるあるを募集する「赤羽あるある」、みちょぱの元カレ“HAYATO”(実在する人物)からの架空のメールを募集する「元カレHAYATO」、など。いずれも、芸人のラジオ番組にありそうな、お笑い系のコーナーばかりだ。
「いわゆる大喜利系のコーナーが基本で、ハガキ職人にとっては絶好の活躍の場です。醸し出されるその空気感は、1990年代くらいから続く深夜ラジオのノリそのもの。学生時代からずっとラジオを聞いているような“おじさん”にとっては、とても心地よい番組であることは間違いないでしょうね」(大塚氏)
みちょぱは番組内でリスナーに対し、「おじさんばかり」「デブハゲニートが聞いている」「デブハゲニートは嫌いだ」などと、かなり厳しい言葉を発することも多い。しかし、リスナーたちはひるむことなく、とんでもなくバカバカしい内容のメールやどぎつい下ネタメールを送る。そして、みちょぱから「バカじゃないの」「まず謝れ」などとお叱りの言葉を受けるのである。
「みちょぱさんの厳しい言葉は本音なのかもしれませんが、リスナーがそうやって罵られることを楽しんでいるのも事実。みちょぱさんもまた、罵られたいというリスナーの期待に応えているわけです。
想定していたリスナー層とは違ったとしても、軌道修正をするのではなく、おじさんリスナーたちが作り上げていく世界に順応しているのがみちょぱさんなんですよね。なんだかんだいいながらも、完全にリスナーに寄り添っているのだから、おじさんたちがメロメロになるのも当然です」(大塚氏)
アニメにおける「理想のギャル」
さらに大塚氏は、みちょぱについて、アニメなどに登場する“理想のギャル”像に近いと指摘する。
「アニメではギャルやヤンキーの女の子を、“言葉は汚いけど心はきれい”“オタクやモテない男子に優しい”“実は純粋”といった形で描くパターンが多いですが、『#みちょパラ』におけるみちょぱさんは、まさにそういった姿そのもの。それこそ“デブハゲニート”のように、多少なりともコンプレックスを持っている人や、コミュニケーションが苦手な人にしてみれば、陽キャであろうが陰キャであろうが、分け隔てなく接して、自分の意見を素直に発するみちょぱさんは、優しさの塊みたいな存在なんだと思います。みちょぱさん本人はまったく意識していなさそうですが、アニメから出てきたような“理想的なギャル”であることが、おじさんに支持される大きな理由なのではないでしょうか」
ナチュラルな“人たらし”ぶりを発揮し続けるみちょぱ。その人気はまだまだ拡大しそうだ。
(文=編集部)