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福島みずほ議員も参加し逆ピース…「選挙ギャルズ」パレードに違和感の声続出のワケ

文=Business Journal編集部
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「選挙ギャルズ」公式サイトより

 若者に政治への関心を持ってもらうにはどうすればいいのか――。国政選挙のたびに若年層の投票率低迷が続く、日本社会の大きな課題だ。

 そんな中、“政治に関心のある若者でつくる「選挙ギャルズ」”が今月20日、都内で行ったパレード「ラブ&ピース・パレード」が、ネット上で注目を集めた。パレードは日比谷公園~日本橋間で行われ、安倍晋三元首相の国葬や改憲への反対を呼び掛け、約110人が参加したのだという。

 同団体は今年5月、地方選挙のボランティア活動を通じて知り合った大学生や会社員ら「平均年齢21歳」の若者10人が結成した団体とのことだ。

 ただ、TwitterなどのSNS上で拡散されているパレードの写真や公式サイトなどを見て、“違和感”を指摘する声が多く上がった。

吉良よし子氏、福島みずほ氏……目立つ野党議員らの姿

 SNS上に出回っている参加メンバーの集合写真の中の1枚では、日本共産党の参議院議員の吉良よし子氏や社会民主党参議院議員の福島みずほ氏ら野党の議員らが逆ピースでポーズをとっていた。

 参加メンバーの背後には、ピンクの生地で作られた「憲法改悪ムリぽ」とののぼり旗が見られる。また参加者のひとりは以下のように記しされたチラシを手に持っていた。

「戦争も 暴力も 無理サファリパーク」

「無理!サファリパーク」は富士サファリパークのCMソングの歌詞をもじったものだ。初出はおよそ14年前に放映されたテレビドラマ『33分探偵』(フジテレビ系、2008年8~9月放送)で、堂本剛演じる主人公、鞍馬六郎の助手、武藤リカコ(水川あさみ)が披露したギャグだ。

 10代や20代前半の若者に響くネタなのか微妙なところだろう。そうしたプラカードやビラなどに散見されるある種の「前時代的な何か」に関し、SNS上では違和感を指摘する声が上がった。

 また、“一般の若者主体”のはずのパレードに野党の有力議員が結集し、活動の最前面に出ていることへの疑問の声も散見された。

イマジナリーギャルに擬態?

 選挙ギャルズの公式サイトなどには3Dモデリングされた男女のキャラクターとともに、今回のパレードに関して以下のような説明がなされていた。ニュアンスを正確に伝えるため、原文ママで引用する。

「世界中のギャルゥ〜!??

今の日本社会やばすぎてアセアセすぎん??

でも、このサイトを見つけたあなた

世代もなんも関係なく、これでもぉあなたも選挙ギャル???

7月の参院選に満足してないギャルズ❤️

国葬なにそれ、ムリポンなギャルズ❤️

カルト政党、ほん怖〜大丈夫そ??と思ってるギャルズ❤️

とりま自民維新系の憲法改悪に反対のギャルズ❤️

てかそもそも戦争とか全然推せなぁい?なギャルズ❤️

みんな、8月20日、

日比谷公園に集合して、ぶち上げちゃお〜〜!???⤴️」

 また以下のように同団体の設立趣旨が記されていた。

「てかウチら選挙ギャルズわぁ~、アゲで自由な社会を求めてるだいたい21才くらいの(いちお計算したワラ)一般ピーポーギャルズなわけ?

ほんとはウチらもすきぴたちとあそびまくって楽しく毎日ストレスフリーに過ごしたいんやけどぉ?

今の日本マジやばくね??すぎて、まじアセ~!だし、未来ばちくそ不安なんですけどぉ~!!?アセアセアセ

てことで、うちらのアゲで自由な社会のために、おかしいことは『なんかおかしくない??』ってまじガチ忖度なしこのギャルズマインドで行動するてきな??

ウチらの人権もやけど大事なアオハルうばわれてっからね。ワラナシ」

 こうした記載に、Twitter上では以下のような指摘も見られた。

「若者の票田が欲しいならさ、存在していないイマジナリーギャルに擬態してないで、もっとまじめにストレートに若者に向き合えよ

 だいたいギャルは学がなくて、ピンクでトンチキな言語を使うって設定、女の子はピンクでお人形遊びって昭和のジェンダー偏見と何が違うんだ?馬鹿にするな」(原文ママ)

「シニアのヘイトスピーチより健全だが……」

 また作家・評論家の古谷経衡氏もTwitterで次のように違和感をにじませた。

「私は選挙ギャルズを全然否定しないどころか、むしろ肯定する。シニアがヘイトを叫ぶデモよりもはるかに健全だと思う。しかし、しかしだ。これは…。この文面からは、そこはかとない20世紀末およびゼロ年代前半感を感じる(というか様々な前時代がハイブリッドして?)。もう少し、もう少し何とか…。」

 国会での審議なく決定された安倍晋三元首相の国葬や、政界を震撼させ続けている旧統一教会関連組織の選挙協力問題、国民的な議論が必要な改憲論争などについて、若者たちが街頭で声をあげることは意義深い。

 だが世間一般の若者と、政治活動をしている若い市民活動家や国会議員の間に、なんらかのギャップがあるのではないか。知人から今回のパレードへの参加を呼びかけられたものの、参加しなかった日本民主青年同盟(みんせい)関連サークルに所属する男子大学生は次のように話す。

「確かにあの公式サイトの内容は、いつの時代のギャルなのか、少し首をかしげました。学校で政治の話をするとひかれがちですが、真面目な話をするのなら、わかりやすい言葉で、身近な事例に置き換えて、ちゃんと説明したほうがいいと思います。ああいうふうに変な迎合をしようとすると、逆に信頼を損ないます。見た目が派手でも、根はまじめな人は多いですから」

 元新聞社政治部記者は次のように語る。

「今から20年以上前になりますが、私が大学生のころ、旧民主党の青年部にあたる組織の主催で、渋谷の超有名クラブを貸し切って国会議員参加のパーティーイベントが開催されました。

 いろんなジャンルの若者を取り込もうと開かれたもので、後に首相になる菅直人氏らも参加した盛大なものでした。しかし、結局参加者していたのは“もともと政治活動に興味のある学生”“いわゆる政治系サークルに所属している学生”だけでした。いつもクラブに出入りし、夜通し飲んで踊っているような若者は全くいませんでした。あのイベントと似たものを感じます」

選挙ギャルズ」のパレードに積極的に関与し、参加していた共産党参議院議員の吉良氏に、前述のような「ネット上での指摘に関する受け止め」と「国会議員として多くの若者に政治的な関心を持ってもらうために必要な活動とはなにか」の2点について聞いたところ、以下のように回答があった。

「ネット上でのそうした意見に対して、こちらとしてコメントする必要はない」

(文=Business Journal編集部)

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