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若手社員が一皮むけるための経験とは?

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0221_sinkanjp.jpg※画像:『クオリティ・カンパニー』
著:青木仁志/アチーブメント出版

 若手の頃から人をまとめるのが上手だったり、年齢関係なく上手くチームを引っ張れる人がいる一方で、そういったことが不得意な人もいる。では、「リーダー」とは才能なのだろうか? もちろん性格的な側面もあるが、リーダーシップを発揮するためには条件があるようだ。

 アチーブメントグル―プCEOの青木仁志氏は、『クオリティ・カンパニー』(アチーブメント出版/刊)において、リーダーの育成について言及しているが、その中で神戸大学大学院の金井壽宏教授の「7・2・1の法則」を引用している。

 これはリーダーシップが発揮できるようになった上で有益だったできごとの7割が「仕事上の経験」、2割が「リーダーシップ経験を通じての薫陶」。そして1割が「研修やセミナー」だということ。

 これを踏まえると、現場の段階でいかに良質な仕事経験をし、一皮むけるかがリーダーにとって重要となるのだ。

■「一皮むける」経験とは?

 例えば「海外勤務」は、プロジェクトをゼロからやらなければいけなかったり、言葉が通じないという困難な環境に身を置く。そうした経験はリーダーとしての成長を促すという。また、小規模事業の経営も、リーダーに必要不可欠なスキルや能力を学習できる場として有効だ。

■ただし、「一皮むける」経験は脱落者も多い

 リーダー育成のために、上層部は、リーダー候補に惜しみなく投資をする必要があるが、現実には離職者も出る。困難な状況を与えて一皮むけさせようとするのだから、そこで折れてしまうこともありえる話だ。

 しかし、実際10人に同じように投資し、3人が辞めたとしたとき、残り7人のうちの2割ほどで7人に投資した分以上のリターンをもたらすのが実態だという。大事なことはチャンスを提供してみなければわからないこと。そしてチャンスは平等に与えることだ。

■リーダーを育てるのは上位のリーダーである

 では、一皮むける経験だけで足りるのか? もちろん、それは「NO」だろう。リーダーを育成する目的は、組織目標を達成するために必要不可欠だ。つまり、会社の理念を共有し、その経営目的にコミットできる人材の育成がカギとなる。

 そのため、最上位のリーダーである経営者がどこに向かっているのかを示し、それを見た幹部クラスのリーダーたちが、経営者の理念を共有しながら、下のリーダーを育てていく。課長クラスのリーダーたちに理念が伝わっていくのだ。

 本書は不況下でも成長し続ける“理念経営”について、経営者向けに書かれた一冊だ。

 青木氏は、企業は経営者の器以上にはならないと言う。確かに時代の移り変わりが速いこの時代の中で、組織が一丸となって自分たちの理念を元にビジネスを行う企業は強い。

 リーダーとなれる人材がいない、と困っている企業は参考にしてみるといいだろう。その投資が将来、自分の企業の大きな戦力になるかも知れない。

(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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