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2013年の経済界を展望する(7)

アベノミクス始動で変わる業界勢力図を占う…ニューリーダーは楽天とローソン?

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(「SAKIコーポレーションHP」より)
 安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」が始動した。経済財政諮問会議と日本経済再生本部を司令塔に、トップダウンで脱デフレの難関に挑むことになる。成長戦略をまとめるため再生本部のもとに産業競争力会議を設けた。諮問会議と競争力会議にメンバー入りした経済人が、さしずめ、経済界のニューリーダーということになる。


【経済財政諮問会議の民間議員】
■伊藤元重:東京大学大学院教授
■小林喜光:三菱ケミカルホールディングス社長(経済同友会副代表幹事)
■佐々木則夫:東芝社長
■高橋進:日本総合研究所理事長


【産業競争力会議の民間議員】
■秋山咲恵:サキコーポレーション社長
■榊原定征:東レ会長
■坂根正弘:コマツ会長(経団連副会長)
■佐藤康博:みずほフィナンシャルグループ社長
■竹中平蔵:慶應大学教授(元経済財政相)
■新浪剛史:ローソン社長(経済同友会副代表幹事)
■橋本和仁:東京大学大学院工学系研究科教授(応用化学)
■長谷川閑史:武田薬品工業社長(経済同友会代表幹事)
■三木谷浩史:楽天会長兼社長(新経済連盟代表理事)

 経済財政諮問会議は財政政策などのマクロ政策を、日本経済再生本部は産業競争力会議を中心に具体的な経済成長戦略や産業育成策を打ち出す。

「官から民へ」――。小泉純一郎内閣が推し進めた構造改革の両輪となったのは竹中平蔵・経済財政相が司令塔となった経済財政諮問会議と宮内義彦・オリックス会長が議長を務めた規制改革・民間開放推進会議だった。推進会議がまとめた規制緩和の重点項目を諮問会議で検討して、具体的な政策に練り上げられた。だから小泉政権は諮問会議政治といわれた。

 民主党政権は諮問会議を封印した。安倍首相になり、3年5カ月ぶりに再起動する。

 小泉政権時代には奥田碩・経団連会長(当時、トヨタ自動車会長)と牛尾治朗・前経済同友会代表幹事(ウシオ電機会長)がエンジン役を果たした。これ以降、経団連会長や同友会代表幹事、これと同格の経済人を充てるのが通例となったが、今回の人事では財界の両首脳は外された。

 経団連の現会長である米倉弘昌氏(住友化学会長)は自民党の安倍総裁の経済政策について「無鉄砲」と批判し、消費税増税に慎重姿勢を示すと「自民党総裁としていかがなものか」と辛口の発言をしていた。ところが、安倍氏が首相に就任するやいなや謝罪するというお粗末ぶりを見せた。「財界総理にはふさわしくない」と経団連で副会長を務めた複数の有力財界人を呆れさせたほどだ。

 安倍首相と姻戚関係にあり指南役を務めている牛尾治朗・ウシオ電機会長は、自分の財界活動の本拠地といえる経済同友会の長谷川閑史・代表幹事を諮問会議の民間議員に推した。しかし、長谷川氏を充てると米倉氏のメンツが丸潰れになるとの政治的な配慮が働き、長谷川氏は外れた。長谷川氏は産業競争力会議のメンバーに回った。

 代わって経団連からは、東芝の佐々木則夫社長が起用された。経団連は5月末の定時総会でトヨタ自動車の渡辺捷昭相談役、東芝の西田厚聰会長、新日鐵住金の宗岡正二会長の3人の副会長が2期4年の任期満了を迎える。後任にはトヨタから内山田竹志副会長、東芝は佐々木則夫社長、新日鐵住金は友野宏社長の就任が有力視されている。佐々木氏は経団連の代表ということだ。なお、次期経団連会長の有力候補である東芝の西田氏は審議員会副議長に回り、来年5月末に任期満了を迎える米倉の後任として経団連会長になるか、渡文明(JXホールディングス相談役)の後釜として審議員会議長に就く可能性が高い。

 佐々木氏は72年に東芝入社。若い頃に原発設計の技術者として活躍。常務時代の06年に米原発大手、ウェスチングハウス(WH)の買収で中心的役割を果たした。09年から東芝の社長である。