子どもが本や文字に親しむきっかけになる「絵本」は、子育てに取り入れたいもの。
それだけに、親は自分が子どもの頃に読み聞かせてもらった絵本や、有名な絵本の中から我が子に与える絵本を選ぶことが多い。
でも、それだけじゃもったいない。『年齢別! 子育てママ&パパの頼れる絵本193』(ユーキャン刊 遠藤裕美 監修)は、親のその絵本の選び方を根本的に変えるかもしれない。
■親の思いと子どもの育ちのタイミングがマッチする絵本の選び方
この本は「食べる・寝る」「せいかつ」「ルール」「感覚・運動・健康」「ことば・こころ」「家族・友達・人との関わり」など、テーマごとに193冊の絵本を選書。読むのに適切な年齢と合わせて紹介する絵本のガイドブック。
お父さん・お母さんが「こんなことを伝えたい」と思ったテーマで、我が子の年齢に合う絵本を見つけることができるため、「この絵本、うちの子にはまだ早かったみたい」「せっかく買ったのに、あんまり気に入らなかったみたい」というミスマッチが少なくなる。親の思いと子どもの育ちのタイミングがマッチするように選書されているのが魅力だ。
「保育園で実践されていることを家庭にも取り入れられるようにしたかった」と語るのは、この本を編集したユーキャンの坂田誠さん。
「幼稚園や保育園では、教育目標を設定するために健康・人間関係・言葉・表現・環境という5つの領域が設けられていて、この5つを視点に遊びなどを通じて教育がなされています。これを絵本選びに取り入れられるんじゃないか、というのが企画の出発点でした。現場での実践を参考に、子育て中のママ・パパの絵本選びをサポートできると思っています」(坂田さん)
では、親はこの本をどう使えばいいのだろうか。
まずは冒頭の、育ちのテーマごとに分けられた、絵本の読みはじめの目安がわかる「ジャンル別もくじ」が役に立つ。たとえば、離乳食が始まるときには、スプーンや食器に親しみを持ってもらうために「食べる・寝る」がテーマの絵本の中から『スプーンさん』(中川ひろたか文、100%ORANGEイラスト、ブロンズ新社刊)を読み聞かせたり、おむつがなかなか取れない子には「せいかつ」の絵本の中から『うんちがぽとん―おむつにさよなら!…のおはなし』(アロナ・フランケル著・イラスト、さくまゆみこ訳、アリス館)を読み聞かせる、など。子どもにとっての成長のタイミングにぴったり合う絵本を見つけることができる。
親が「こうしてほしい」と思うことを直接子どもに伝えるよりも、絵本を介したコミュニケーションの中で伝えていく方が、子どもにとっても受け止めやすいのかもしれない。坂田さんは「子育てで困ったとき、絵本を通じたコミュニケーションの中で生まれる温かい時間が、この本をきっかけにたくさん増えますように。」と述べる。
また、現役保育士による「育児アドバイス」や、掲載された193冊の絵本それぞれに「読み聞かせポイント」が解説されているのも、新米パパ・ママにはありがたいところ。ぜひ、子育てのお伴に絵本の読み聞かせを取り入れてみてはいかがだろう。
「絵本の読み聞かせは、読んで聞かせた後も大事だと思っています。絵本の世界を暮らしの中まで広げてあげることができたら子どももきっと喜ぶはずです。本書には読後の過ごし方のヒントについてもまとまっているので、役立てていただけたらうれしいです」(坂田さん)
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。